ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「最終的に平伏して頼んだら、アステリアを嫁に出すと頷いてくれた」

「何をしてくれたの!?」

王族が臣下である貴族に頭を下げるなんて、あってはならないことだ。

それなのに、このポンコツ王子は父相手に土下座したと。

「頭が痛くなる」

「奇遇だな。私も、アストライヤー卿の頭の固さに、頭痛を覚えた」

「違うわよ。あなたの奇想天外な行動に、頭が痛くなったの」

こめかみを揉んでいたら、イクシオン殿下は懐から一枚の紙を取り出す。

折りたたまれていたものが開かれた瞬間、「ああ」という絶望のため息がでてしまった。

それは、父が書いた結婚許可証だった。

「そんなわけで、私達の結婚は許可された」

すぐに破いて捨てようと思ったが、イクシオン殿下が回収して懐にしまうほうが早かった。

「あなた、私みたいなのと結婚して、後悔するわよ」

「私の人生に、後悔の二文字はない」

カッコよく言ったが、「うるせー」と口悪く返したくなった。
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