ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「それはそうと、私の不在中に、別の問題が生じているらしい」

「もしかして、ハルピュイア公爵家から抗議が!?」

「なぜ、ハルピュイア公爵家から抗議がくる。先日勝手にハルピュイア公爵家の娘が宮殿内に入ってきたと耳にしたから、こちら側から抗議しておいた」

「なんてことを!」

楽しい料理対決だったのに、抗議するなんて。二度と来てくれなくなるではないか。

「なぜ、入場を許したのだ。ここは、私の聖域なのに」

「いや、私に拒む権利はないといいますか、なんといいますか」

「あるだろう。そなたは、私の婚約者なのだから」

「そんなことを言われましても」

私もイクシオン殿下に抗議しようとしたが、真剣な面持ちで王家の問題を語り始めてしまった。

「実は、兄とセレネ姫の婚約が破談となってしまったのだ」

「へー、それはそれは思いがけない事態にって……ええっ!?」

兄というのは、王太子カイロス殿下だろう。可憐な姫君との婚約が決まって、祝福ムードに包まれていたのに、なぜ突然婚約が破談となったのか。
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