ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
第四話 心も体も温かくなる『ほかほか肉まん』
私がイクシオン殿下の宮殿にお邪魔をしてから、一か月が経った。
相変わらず、イクシオン殿下は便利な魔道具を発表しては、製品化できないと却下される毎日を送っている。
先日開発したのは、“お天気シート”。曇天や雨天の日に空に広げると、一定範囲を晴天にできるのだ。
非常に使い勝手がいい魔道具だが、一枚の値段が金貨十枚。日本円にしたら、百万円。
いったい、誰が買うというのかと、帰宅後の自主反省会で突っ込んだ。
「なるほど。金貨百枚は、なかなか手出しできない金額なのか」
「労働者階級の平均賃金は、金貨一枚くらいだから」
「それは、一日の給料なのか?」
「一か月!」
「なっ……彼らは一か月働いて、金貨一枚しかもらっていないのか!?」
「そうよ」
「金貨一枚で、どうやって生活しているのか、想像できない」
王族として何不自由なく暮らしていたので、無理もないのだろう。
ただ、普及を目指す魔道具作りをしている者としては、国民の生活基準を知らないのは致命的だ。
相変わらず、イクシオン殿下は便利な魔道具を発表しては、製品化できないと却下される毎日を送っている。
先日開発したのは、“お天気シート”。曇天や雨天の日に空に広げると、一定範囲を晴天にできるのだ。
非常に使い勝手がいい魔道具だが、一枚の値段が金貨十枚。日本円にしたら、百万円。
いったい、誰が買うというのかと、帰宅後の自主反省会で突っ込んだ。
「なるほど。金貨百枚は、なかなか手出しできない金額なのか」
「労働者階級の平均賃金は、金貨一枚くらいだから」
「それは、一日の給料なのか?」
「一か月!」
「なっ……彼らは一か月働いて、金貨一枚しかもらっていないのか!?」
「そうよ」
「金貨一枚で、どうやって生活しているのか、想像できない」
王族として何不自由なく暮らしていたので、無理もないのだろう。
ただ、普及を目指す魔道具作りをしている者としては、国民の生活基準を知らないのは致命的だ。