ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「アステリア、どうかしたのか?」

「ごめんなさい。ちょっと、胸が、苦しくて」

「なんだと? 医者を呼ぶか?」

「ううん、大丈夫」

そう答えたのに、イクシオン殿下は侍医を呼んで診察を受けさせようとした。

「今は、国王夫妻のために料理を作らなければいけないから」

「しかし、胸が苦しいのならば、診察を受けたほうが――」

「比喩だから! あと、切ないという言葉の意味を百万回調べてきて!」

しばらく言い合いをしていたが、リュカオンがやってきて『アステリアは健康だ』と助言してくれた。「リュカオンがそう言うならば」と納得してくれたのだ。

さすが、私の父親より頭が固い王子である。一筋縄ではいかない。
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