ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
スノウベリー国の従者や侍女にも肉まんを配る。みんな、笑顔で肉まんを食べていた。

「アステリア、思っていた以上の反響だな」

「ええ、こんなに喜んでもらえるなんて」

五十個以上用意していた肉まんは、瞬く間になくなっていった。

反響は、それだけでは終わらなかった。

スノウベリー国の王太子夫妻が、肉まんを作る技術と肉まん用保温器を買い取らせて欲しいと、国王夫妻に頭を下げたらしい。

スノウベリー国は寒すぎるがゆえに、温かいものを作ってもすぐに冷えてしまうようだ。

まずは肉まん工場を建設し、大々的に売り出したいと。

つまり、イクシオン殿下の魔道具が商品として初めて取引されるということだ。

肉まん用保温器の設計図はすでにあり、魔法省が管轄する魔道具工房に頼めば量産も可能だ。

私が以前、コストについて話をしたので、製作費もそこまで高くないらしい。

とりあえず、スノウベリー国は肉まん用保温器を、百個単位で注文してくれるようだ。

国庫が潤う結果となり、スノウベリー国との一回目の外交は大成功となったようだ。
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