ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
転移魔法を使い、イクシオン殿下の私室へ飛んだ。

「どわっ!!」

イクシオン殿下は突然転移してきた私達に驚き、机に置かれたインクを零してしまった。幸い、書類はなかったようだが大惨事だ。

責任はこちらにあるので、進んで机をきれいにする。

「ごめんなさい。いつも、部屋の前に下りるように注意しているのだけれど」

『最終的にはここに入るのに、面倒だろう』

「でも、驚かせてしまうのは悪いわ」

「気にするな。次は、驚かないようにする」

いや、ビビリなのだから、無理をするなと助言したい。

「ところで、何の用事だ?」

「あの、リュカオンが気になることがあるみたい」

リュカオンはイクシオン殿下の机の上に跳び乗る。

「あっ!」

着地したところはまだ、インクを拭いていなかった。肉球にインクが付着し、歩く度に足跡が付く。
< 198 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop