ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
「おい、リュカオン。何をしている。私の机が足跡だらけではないか」

『我の着地した先に、インクがあっただけだ』

「私の机を汚してからに!」

『小さいことを気にしよって』

すぐに拭き取ろうと思ったが、ふと思いとどまる。

「アステリア、どうしたのだ?」

「リュカオンの足跡が、可愛かったから。このまま、残していてもいい?」

「まあ、アステリアがどうしてもというのならば」

「イクシオン殿下、ありがとう」

ピンクの肉球を黒く染めてしまったリュカオンを抱き上げ、インクを拭いてあげる。

「別に、これしきの染み、まったく気にならん」

『お前……! 我のときと態度が違うではないか!』

「小さいことは気にするな」
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