ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
リュカオンはおいしい食事を対価に、スタンピートを防ぐことを約束し召喚されたようだ。だが、第三王子イクシオン殿下が用意した食事が口に合わず、『このままでは空腹で、守護もままならない!』と駄々を捏ねていたらしい。

 国中のどんな料理人の料理を食べても、『クソ不味い!』としか言わず、『おいしい物が食べられるのであれば、帰るしかない』と宣言していたのだとか。

そんな中で、現代日本で料理人をしていた記憶をのぞき見たリュカオンは、私にオムライスを作るように命じた。

リュカオンを聖獣と知らなかった私は、「お腹を空かせて可哀想」という一心でオムライスを作ったのだ。リュカオンは私の料理を気に入り、未来永劫厄災から守る『守護の紋章』を手の甲に宿してくれたのだ。

イクシオン殿下はリュカオンの召喚には成功していたものの、『守護の紋章』はもらっていなかったので大喜び。

無事、リュカオンのお披露目もできて、めでたしめでたし――ではなかった。
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