人生の待ち時間
五才年上のタカくんと付き合い始めて、六……じゃなかった、七年目になる。
短大を卒業して入社した会社に、タカくんがいた。
営業部の彼と、総務部に配属された私。通常ならそれほど接点はない。が、同期入社で仲良くなったマリコが営業部に事務として配属された事で、私とタカくんはたびたび接点を持つようになる。
飲み会の多い営業部。賑やかなのが好きな営業部長。営業部の飲み会には、他所の部からの参加者もわりといた。
大学卒業での入社で、二才年上のマリコ。スラッと背が高く、黒髪のボブヘアが似合うきれいなマリコ。社内研修で、マリコがデキる人だという事にもすぐに気付いた。
ちょっと人見知りで不器用な所がありながら、なんとか新しい人間関係に慣れようとする私の事を、まるで妹のようにマリコは気にかけてくれた。
「アイも、うちの飲み会においで」
入社して一ヶ月が過ぎた頃、そうマリコに誘われた。
「えっ……」
営業部の飲み会の話は、マリコからも周囲からも聞いていたが、他人事のように思っていた。
「営業さんたちさ、たまにウザい事もあるけど、基本的にみんな気さくでいい人だから。アイが早く会社に慣れるきっかけにも、なると思うよ」
ちょっと不安だったけど、マリコの言葉を信じて参加してみた。