キスの場所の意味、教えてあげる
彼女は男子をかき分け、僕に手を差し伸べる。

「大丈夫?行こう」

僕は彼女の手を取り、立ち上がる。彼女は優しく微笑んでいた。それだけで、さっき言われた言葉なんてどうでもよくなるんだ。

「何でそんな男と……」

「君には僕の方が……」

ブツブツ言い続ける男子たちを、彼女は軽蔑したように睨む。そして、言う。

「人を平気でいじめるような人、大嫌いだから!!」

そして、僕と手をつないだまま彼女は歩き始めた。



保健室で汚れた制服からジャージに着替えさせてもらい、僕と彼女は帰る。今日寄り道するのはアイスクリーム屋さんだ。

「あの、さっきは本当にありがとう」

クッキーアンドクリームのアイスを食べながら、僕は隣に座る彼女に言う。すると、チョコレートのアイスを食べていた彼女はいたずらっ子のように笑う。

「お礼はキスでいいよ?」

彼女はそう言って目を閉じる。僕は何度も息を吸って吐く。そして、唇を近づけた。
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