極秘新婚~独占欲強めの御曹司と突然夫婦になりました~
「そうよ、ビックリしたわ」
「やっぱり健太郎が……」
「健太郎? あの子がどうして出てくるの? ははあ、あの子もグルだったのね」
お義母さんが、腕組みをして眉を吊り上げる。
どうやら、健ちゃんが情報を売ったわけじゃないらしい。
私と裕ちゃんは顔を見合わせた。
「どうして羅良と希樹が入れ替わっていることに気づいたのです?」
裕ちゃんの質問に、「筋肉を見たんじゃないかな」と心の中で返す。
「息子の妻の素行調査をするのは当然でしょ」
お義母さんはフンと鼻を鳴らした。
「ちゃんと妻の務めを果たしているか、他の男と通じたりしていないか、怪しい団体に寄付などしていないか……しばらく様子を見させていただいたわ」
「えっ」
「そうしたらあなた、あろうことかうちの嫁がパートで働きだしたり、公園を延々と走ったり、自転車で買い物したりしているじゃない。これは私たちの知っている羅良さんじゃないと思ったわけ」
聞いているうちに、背筋が凍り付いた。
まさか、普段の生活を監視されていたとは。
結婚前に素行調査されるのはまだわかるけど、結婚後もこっそり監視となると、同居で干渉されるのと同じくらい性質が悪い。