愛しい女(ヒト)
一目惚れの相手
「惚れた女ができた。」
「はっ?えっ?……… 惚れた………女?」
「ああ。一目惚れだ………」
俺を見たまま動かなくなった親友の郁哉(いくや)をそのままにビールを一口飲む。
俺は藤倉大智(ふじくら だいち)37歳。
N社のシステム開発部で課長をしている。
自分で言うのもなんだが、俺はモテる。
学生の頃は、それなりに彼女はいた。
告白されてなんとなく付き合ってはいたが、相手をちゃんと好きになれなかったせいか、俺に愛想つかし離れていくばかりで、なかなか長続きしなかった。
それがなんだか虚しくて、俺は誰も愛せない人間なのかもしれない………と思い始めた。
それからは告白されても断るようになっていき、社会人になってからも仕事に没頭しすぎて誰とも付き合わず、気づけばこの歳になっていた。
そんな俺が一目惚れ………
37になっての初恋だ………最初は信じられず驚きもした。
今まで生きてきて、女を好きになったことのない俺は、彼女を好きだと認めてもどうして良いかわからず、こうして郁哉に話すことしかできないでいた。
「はっ?えっ?……… 惚れた………女?」
「ああ。一目惚れだ………」
俺を見たまま動かなくなった親友の郁哉(いくや)をそのままにビールを一口飲む。
俺は藤倉大智(ふじくら だいち)37歳。
N社のシステム開発部で課長をしている。
自分で言うのもなんだが、俺はモテる。
学生の頃は、それなりに彼女はいた。
告白されてなんとなく付き合ってはいたが、相手をちゃんと好きになれなかったせいか、俺に愛想つかし離れていくばかりで、なかなか長続きしなかった。
それがなんだか虚しくて、俺は誰も愛せない人間なのかもしれない………と思い始めた。
それからは告白されても断るようになっていき、社会人になってからも仕事に没頭しすぎて誰とも付き合わず、気づけばこの歳になっていた。
そんな俺が一目惚れ………
37になっての初恋だ………最初は信じられず驚きもした。
今まで生きてきて、女を好きになったことのない俺は、彼女を好きだと認めてもどうして良いかわからず、こうして郁哉に話すことしかできないでいた。
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