月白色の告白
「夏目漱石ってあんまり読んだことないんだよな。なんか難しそうで。」
「そうかな?慣れたら面白いよ。」
「"吾輩は猫である"以外知らないんだけど、他に何がある?」
「あとねー、"こゝろ"とか、今日借りようと思ってる"文鳥"とか。」

私はブックピアで本を探しながら話す。
目を輝かせながら聞いてくれる史田くんと話していると、自然と話題が出てくる。

「そういえば、宮部みゆきの最新刊読んだ?」
「あー、さよならの儀式だよな。読んだよ。」
「SFの短編集、なんだか難しかったな。」
「わかる。面白かったんだけど、いつもと違う感じで。」
「やっぱり長編がいいよね、宮部みゆきは。」

私は目的の本を見つけて手に取る。

「あ、流星の絆。借りようかな。」
「東野圭吾?流星の絆の結末は…」
「やめてやめて(笑)」

私は頭の中で借りている本を思い出す。
多分、借りれるはずだ。

「ミステリーとか好きなんだ。」
「んー、そこそこ。」
「そんなもんか(笑)」
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