幸せな結末
その中でも理恵と朝陽の動きはかなり呼吸が合っていることをその場にいるスタッフは感じていた。動きに無駄がなく、お互いの動きが科が違うにも関わらずよく見えている。
「はい」
朝陽が次に必要とする物を外科の看護師が渡せずにいるとすぐに理恵が気づき渡した。
欲しいものを欲しい時に朝陽の手に渡せる看護師は理恵しかいないと朝陽は感じている。
「出るぞ」
産婦人科の医師の言葉に小児科のスタッフが構える。
産声のない赤ん坊を医師が取り上げて理恵がそのまま赤ちゃんを抱き小児科のスタッフに託す。
すぐに小児科の処置も始まった。
産婦人科の医師は子宮の処置を始める。
「出血量がかなり増えています。輸血しますか?」
理恵の言葉に朝陽が指示を出す。
「呼吸落ちてます。」
麻酔科の医師の言葉にさらなる緊張感があふれた。

理恵はすきをみて患者の耳元へ近付く。

「おめでとうございます。赤ちゃん、大丈夫ですよ。無事に生まれました。よく頑張りましたね。」
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