幸せな結末
理恵は体の向きを変えて朝陽を見た。
「ごめんね・・・」
「なんでお前が謝るんだよ。」
そう言って朝陽は笑いながら理恵を抱きしめた。

こうして抱きしめあい、お互いの悲しみもすべてを分かち合うことが自分たちには必要だったと再認識した。

「悲しいね・・・。」
「あぁ。」
「・・・」
「でも、命はつながった。・・・赤ちゃんが生まれて、患者の命はつながった。それが救いだな。」
「うん」
朝陽の言葉に理恵は患者の最期の涙を思い出していた。

「朝陽はあの涙はどんな意味があったと思う?悲しみ?安心?喜び?別れ?」
理恵が目を閉じて朝陽のぬくもりを感じながら聞く。
「喜びだって信じたいな。あの子のためにも。」
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