幸せな結末
何度も何度も経験してきたお産。
それでも一つも同じお産はなかった。

たくさんの赤ちゃんがこの世に生まれる瞬間に立ち会ってきた。
その一瞬一瞬が思い出されて、理恵は涙が出そうだった。

私のしてきたことは意味のあることだったのかな・・・。

たった一度の人生。

私の選んだ道は間違っていなかった・・・?


そんなことを考えているうちにすでに4人の子供を出産している経産婦の患者はどんどんお産が進んでいった。
「お母さん、もう一息ですよ。頑張って。」
励ましながら理恵は医師を呼ぶ。
「次に陣痛の波がきたらいきみましょうね。」
患者の汗を拭き、体をさすりながら理恵は励まし続ける。
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