幸せな結末
その現実に理恵は動揺を隠せなかった。
「この話は、どうか主人には・・・。まだ・・・」
なんとか絞り出した言葉に
「患者さんのことは守秘義務がありますのでたとえご家族でも許可なく口外することはありません。近いうちに主治医の先生に相談されることをお勧めします。」
裕子がそう告げると小さく頭を下げて病室から出て行った。

理恵は一人になった病室で一人涙を流した。

泣いて泣いて泣いて・・・どうして自分なのだと繰り返した。







そして、朝が来るとき、理恵の中でそれまでしまい込んでいた考えが再び浮き上がり、
決心に変わろうとしていた。
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