幸せな結末
朝陽の実家の住所をなにも見ずにすらすらと記入する理恵に朝陽が微笑む。
「すごいな。覚えてんだ。」
「まぁね」
こんなやりとりさえ、二人で過ごした時間の長さを感じる。
「帰ったら理恵の実家にも顔出そうな。しばらく行ってないし。」
「・・・そうだね」
「どうした?」
「うんん。」
嘘をつきたくない・・・。
理恵はそんな思いのまま時々朝陽の顔をまっすぐに見ることができなかった。

「疲れた?」
朝陽はそんな理恵にすぐに気が付いてしまう。
「うんん。大丈夫。」
理恵がそう言って微笑んでも
「休憩っ!」と朝陽は近くのベンチに理恵を座らせた。
「ありがとう」
買ってきたお茶を理恵に渡す朝陽に理恵がお礼を言うと朝陽は微笑みで返した。
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