幸せな結末
「じゃあ、こちらの部屋に移動できますか？」
看護師が採血セットを持ち先導する。
朝陽はがっしりと理恵の体を支えてベッドのある部屋へと連れて行ってくれる。
「ごめん・・・。」
目も開けていられない理恵が朝陽に謝る。
「いいって。大丈夫か？」
「・・・だめ・・・。」
理恵の足元がふらついて朝陽が支える手に力をこめる。
ほとんど朝陽に持ち上げられているような状態で理恵はベッドに何とかたどり着いた。

ベッドにたどり着いた理恵は座って動けなくなってしまった。
「ちょっと動かすぞ」
と朝陽が理恵の体を持ち上げてベッドに横にしてくれる。
「ありがと・・・」
目を閉じたまま理恵が告げると朝陽は理恵の足にタオルをかけてくれた。
「もう一本頑張りましょう」
看護師はそのまま採血をして部屋を出て行った。
< 160 / 280 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop