幸せな結末
目を閉じながら理恵が朝陽にもう一度謝る。
「ごめんね・・・。」
「・・・謝るなら、ちゃんと薬飲めよ。」
「ごめん・・・。」
「理恵」
「ん?」
朝陽に名前を呼ばれて理恵が朝陽を見る。
「体、大切にしてほしい。」
「・・・うん」
「理恵」
「ん?」
その言葉の続きを朝陽は言わなかった。

理恵もその話の先を聞くことが怖くて自分からは聞けない。

少しして朝陽は何も言わずに理恵の手に触れた。

冷たいその手を温めるように朝陽は触れる。
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