幸せな結末
理恵の検査結果が出て朝陽は顔をしかめた。
「ごめん・・・。」
もう一度理恵が朝陽に謝る。
「ちゃんと薬飲んで、ちゃんと食べて、ちゃんと眠って・・・体、大切にしてくれよ・・・」
朝陽の声の切なさに、理恵は自分自身が投げやりになり、自分の体調をしっかり管理していなかった自分に後悔した。
「ちゃんとする・・・。もう大丈夫だから。」


朝陽は理恵をアパートへ送ると、別れ際、理恵に紙袋を渡した。
病院からの帰り道、うとうととしていた理恵を車に残して朝陽は寄り道していた。

「なに?」
理恵が紙袋を開けるとそこには理恵の好きなプリンが入っていた。

「・・・ありがとう・・・。」
「いいえ。・・・もう大丈夫か?」
理恵は言葉の代わりに深くうなずいた。
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