幸せな結末
「やきもち？」
「はい。ごめんなさい。」
あまりに潔い樹の言葉に思わず理恵は微笑んだ。
「やきもちをやいてもらえるような関係じゃないですよ？私よりも私の旦那との方が湊は仲良しでしたから。湊が突然私に連絡をくれたのも、旦那が連絡したんだと思います。」
「旦那さんが？」
「元ですけどね。無条件に優しい人でしたから。私を気にしてくれているんだと思います。だからこそしっかり歩みだしているって湊に見せなきゃ。旦那に伝わっちゃうから。」
理恵の瞳からはこらえきれずに涙が流れた。
「理恵さんって呼んでいいですか？」
「もちろん」
ずっと理恵は誰にも朝陽の話ができなかった。
言葉にすることもつらくて話せなかった。
でも樹には不思議となんでも話ができた。

理恵は樹に過去の話をしながら、やっと自分自身を受け入れられるようなきがしていた。
< 175 / 280 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop