幸せな結末
理恵が突然行方不明だという湊からの話に朝陽は血相を変えて理恵を探していた。

その理恵を見つけてほっとした気持ちと、今までの理恵への気持ちがあふれて思わず「ばか」と絞り出した声に、理恵が号泣し始めたのを見て朝陽は愛おしさがこみ上げた。

ありったけの力で理恵の体を抱きしめる。
冷え切った体を温めるように朝陽は理恵の背中をさすりながら一ミリも隙間を開けないように体を寄り添わせた。

声を上げて子供のようになく理恵を見るのは朝陽ははじめてだった。

強く強く抱きしめていると徐々に理恵の涙が落ち着いた。

涙が止まろうとしても理恵は朝陽から離れなかった。
朝陽も理恵を離さない。

ふたりはそうしてしばらく抱き合ってから、ゆっくりとベンチに座り話始めた。
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