幸せな結末
「ちなみにあいつ、理恵のこと好きになりそうって俺のこと脅してきてさ。理恵の病室に行った時も、手が触れそうでどきどきしたとかふざけたこと言ってたな。」
朝陽がそう話す横で理恵はもっと早く聞いていればよかったと後悔した。
「でもきれいな人だし」
「まぁ、整形しまくってるからな。顔も体も。」
理恵はそれ以上何も言えなかった。
そんな理恵をみて朝陽が再び笑う。
「俺は今も昔も理恵しか見てないよ。好きなのも理恵だ。だからこそ、ちゃんと夫婦としてもっと向き合いたかった。理恵に夫婦でいる意味がないんじゃないかって言ったのは自分にいら立ってたんだ。大切な奥さんも守れない自分が不甲斐なくてさ。」
朝陽は真剣な顔に戻った。
「でも、それだけじゃないだろ?離婚の話を切り出した理恵の考えている理由。」
理恵は朝陽を見た。
その時初めて理恵は朝陽が自分の体のことを知っているのではないかという思いが湧いた。
「もしかして・・・」
理恵が朝陽に聞くと朝陽は昔から変わらない優しい微笑みを理恵に向けた。
「俺も医者だぞ?理恵の体に何が起きているか、何が起きたかだいたいは予測できる。手術の跡を見ればどこを処置したかわかる。」
理恵は北海道旅行のことを思い出していた。
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