幸せな結末
「ここの刺身定食がおいしいんだよな。」
朝陽がメニューを見る前に話す。
「うん!」
ふたりが何度も来たことのある定食屋。
ここは海鮮物が充実していて二人は魚が食べたくなると来ていた。
「刺身定食二つで、片方はわさび抜きで。」
店員に注文するのにも朝陽は慣れている。
そうして朝陽が注文してくれている間にセルフサービスのお茶を理恵が用意するのがいつもの流れだった。
「サンキュ」
朝陽が先に注文を終えて理恵のもとへ来た。
「座っててよかったのに。」
いつもは座って待っていた朝陽。
「いいだろ?」
と朝陽は照れ臭そうに理恵の手からお茶を二つとり先に席に戻っていった。

「昼から湊の家?」
「うん」
「じゃあこのまま送っていくよ。」
「え?いいの?」
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