幸せな結末
「頑張ったな。」
朝陽が腕の中の赤ちゃんに話しかける。
「ありがとう。生まれてくれて。ありがとうな。」
そう言いながら朝陽の目からも涙がにじんでいる。

理恵が今まで見たどんな朝陽の表情よりも優しくて、喜びに満ち溢れていた。

「パパだぞ。わかるか?光。」
生まれる前から二人で相談して付けようと決めていた名前。

希望の光。

「一生、パパとママが守るからな。」
朝陽は赤ちゃんを理恵の腕に渡した。

「理恵。ありがとうな。本当にありがとう。」
朝陽からの言葉に理恵の涙が止まらない。

今まで抱いてきたたくさんの赤ちゃんとは全く違う我が子のぬくもりに理恵は心がじんわりとあたたかくなる。
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