幸せな結末
理恵の手を撫でながら北海道旅行を思い出す。
本当はあの旅行の時、ずっとどきどきしてたんだ。

理恵がいつ口にするのか・・・。

離婚の話を。

だから馬鹿な話をしたり、理恵が話すタイミングをつくらないようにって必死だったんだ。

手術したことを隠して、気持ちも複雑なはずなのに無理して笑う理恵に俺の心が張り裂けそうだったんだ。

体も心配でなるべく休めるときには休ませたかった。
無理はさせたくなかった。

でも無理させたくなるくらい、最後の時間を大切にしたかった。

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