幸せな結末
夜。
朝陽が仕事から帰宅すると部屋の明かりが消えていた。
「理恵?ただいま」
朝陽の声につかれてソファで眠っていた理恵が目を覚ます。
「おかえり。ごめん、寝ちゃってた」
起き上がる理恵に朝陽はネクタイを緩めながら近づいた。
「いいんだよ。そのほうが俺も安心できる。無理してんじゃないかって気が気じゃなかったからさ。」
朝陽の笑顔に理恵も笑顔になった。
「メールいっぱい、ありがとうね。うれしかった。」
「おう。」
めずらしく照れる朝陽に理恵もはにかむ。
こんなにまっすぐに気持ちを伝えられるようになったのも、今回のことがきっかけかもしれない。
自分の気持ちをちゃんと伝える。
理恵はそう決めていた。
「疲れてるところ申し訳ないんだけど、話、聞いてくれる?」
理恵の言葉に朝陽は優しく微笑みながら頷いた。
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