日常時々小さい喜び
「生きる」
私はカツラを辞めてスキンヘッドにした。
前より似合っているしスッキリした。
さ、今日もあいつを鍛えてやらないとなぁ…
そう思いながら私はベランダに出た。
今ではもう日課になっている花の手入れ。
「あれ、花が…」
今日は花が咲いていない。
もう、枯れてしまったんだろうか…
そう思い落ちていた花びらを取る。
するとその下には種が落ちていた。
「種…
そうか。
君は自分のする事をして人生を全うしたんだな。
…
新人君。
君もあいつと同じく大切に育てていくからな。
覚悟しておけよ。」
私は未だに私の「生きる」が分からない。
でもそれも人それぞれ。
私の場合死んだ後に分かるのかもしれない。
だから焦らず。
今私の出来る事をしよう。
そうすればなんとなく、
本当になんとなくだが、
私は死ぬ時に私の「生きる」がわかる気がする。