距離感
王子が笑うと。
胸がギュッと痛くなる。
電車に乗り込むと、車内はそれほど混雑していなかった。
「あのさー、勝又さん。オレのこと福王寺さんって呼ぶけど。王子でイイからねー」
「え?」
「福王子って名前、長いでしょー。皆と同じように呼んでいいからね」
「…はい。じゃあ、私もあだ名でいいですよ」
「えっと、カッチャンだっけ? みんなに呼ばれているのって」
「そうですねー、まぁ、ふくお…王子の呼びやすいように自由にどうぞ。カツ子でもいいですよ」
「うん。じゃあ今日からカッチャンね」
王子は次の駅を確認するように表示板を見ると。
「次、降りるわ」
と言って。あっという間に降りて行った。
胸がギュッと痛くなる。
電車に乗り込むと、車内はそれほど混雑していなかった。
「あのさー、勝又さん。オレのこと福王寺さんって呼ぶけど。王子でイイからねー」
「え?」
「福王子って名前、長いでしょー。皆と同じように呼んでいいからね」
「…はい。じゃあ、私もあだ名でいいですよ」
「えっと、カッチャンだっけ? みんなに呼ばれているのって」
「そうですねー、まぁ、ふくお…王子の呼びやすいように自由にどうぞ。カツ子でもいいですよ」
「うん。じゃあ今日からカッチャンね」
王子は次の駅を確認するように表示板を見ると。
「次、降りるわ」
と言って。あっという間に降りて行った。