距離感
2時間の飲み会はあっというまに終わってしまい。

2次会組と帰宅組にわかれた。

私は帰宅組のほうにまざり。

王子も帰宅組のほうに加わった。

「さて、帰りますか」

集団で駅まで歩いて、それぞれがバラバラの方向の電車に乗る。

王子と、てくてくとホームへ向かう。

「王子、モテモテでしたねぇ」

「ねー。ビックリだよ。あんなに沢山の人達に囲まれるとは思わなかった」

モテモテという言葉を否定しないのか…。

と、突っ込みたかったけど。

黙っておいた。

電車が来て、中に入ると。

空いていたので、私と王子は椅子に座った。

久しぶりに飲んだお酒のせいか、頭がぼんやりとする。

王子が何か話かけてくれているが。

頭に入ってこない。

「カッチャン、眠いなら寄りかかっていいんだよ」

「ありがと…ございます」

王子の言葉に遠慮せず、王子の肩に頭をのせる。

そして、どさくさにまぎれて。

私はとんでもないことをした。

無意識だ…。
< 51 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop