距離感
19時前。
公園には、子供たちはいない。
この公園は、道路沿いにあって。
それなりに交通量のある道路なので車の音で騒々しく。
近所迷惑になることはない(よっぽど大きな声を出さなければ)
駅前のカフェで告白ということも考えたけど。
あんまり、人のいる前では告白できない。
考えた末の公園なのだ。
「あの、コレ。プレゼントです」
昨晩、作ったクッキーを渡す。
「ほ?」
王子は、紙袋を受け取って中身を見て。
「あ! 噂のチョコチップクッキー!!」
『噂の』というワードに、思わず眉がピクピクと動いたけど。
味には自信がある。
「ありがとう。わざわざ作ってもらって」
王子はニッコリと笑った。
「それで、用なんですけど…」
「へ? これ渡すのが用じゃないの?」
きょとんとした王子の顔に。
ああ、言いたくないって思った。
「あの、王子には凄く迷惑だってわかってるんですけど」
「何?」
「あの・・・」
言わなきゃ。
手をグーにする。
下を向く。
言わなきゃ。
「王子が好きです」
公園には、子供たちはいない。
この公園は、道路沿いにあって。
それなりに交通量のある道路なので車の音で騒々しく。
近所迷惑になることはない(よっぽど大きな声を出さなければ)
駅前のカフェで告白ということも考えたけど。
あんまり、人のいる前では告白できない。
考えた末の公園なのだ。
「あの、コレ。プレゼントです」
昨晩、作ったクッキーを渡す。
「ほ?」
王子は、紙袋を受け取って中身を見て。
「あ! 噂のチョコチップクッキー!!」
『噂の』というワードに、思わず眉がピクピクと動いたけど。
味には自信がある。
「ありがとう。わざわざ作ってもらって」
王子はニッコリと笑った。
「それで、用なんですけど…」
「へ? これ渡すのが用じゃないの?」
きょとんとした王子の顔に。
ああ、言いたくないって思った。
「あの、王子には凄く迷惑だってわかってるんですけど」
「何?」
「あの・・・」
言わなきゃ。
手をグーにする。
下を向く。
言わなきゃ。
「王子が好きです」