距離感
時間というものは、どうしてあっという間に流れてしまうものなのだろうか。
3月が終わろうとしている。
18時になると、要さんの元にぶわーとオジサン集団が駆け寄って。
要さんは花束やら、お菓子やら色々とプレゼントを貰っていた。
王子は、王子でオバチャン達から色々とプレゼントを貰っていた。
一通り、挨拶が済むと。
王子と要さんと、香川さんと何人かの人達で帰っていく。
飲み会らしい。
帰り際、王子と目が合った気がしたけど。
すぐにそらした。
うるさかった空間が一気に静まり返る。
ぼんやりと座っていると。
「勝又」
と、部長に呼ばれた。
部長は、会社を辞めるそうだ。
理由は聴いていない。
「はい」
返事をすると、部長は黙った。
「なんでしょう?」
「おまえ、やっぱり元気ないな。部下が病んでいるのに、此処を去るのも気になるだろうが」
「病んでるんですかね」
乾いた声で答える。
「悩んでいるのか?」
部長は座ったまま、こっちを見た。
「何ですかね・・・虚しいというか。やり切った感があるというか」
「燃え尽き症候群か?」
「どうしてですかね。努力が報われないというか…、こんなに空っぽなのは」
王子に告白して、フラれました。
だなんて、言えない。
覚悟はしていたけど。
実際にフラれたら。
ショックで、落ち込んだ。
あの後、レイカに「砕けました」とメッセージを送ったら。
「じゃあ、拾いにいくわ」と返事が来た。
弟には、まだ連絡はしてない。
現実を受け入れるのは、やっぱり。辛いものだ。
「努力が報われないか…」
部長は立ち上がった。
「勝又、おまえの努力を見ている奴が必ずいるさ」
「そうですかね…」
「おまえの努力を見て、おまえが頑張っている姿を見ている人が必ずいる。そして、そいつがきっとお前を救ってくれるだろ」
「…まるで、占い師さんみたいですね」
「勝又、今は報われなくても将来必ずお前を助ける奴が現れて、報われる日が来る。それは、断言する」
「そんな人、現れないですって」
部長とかわした最後のやりとりだった。
部長は慰めてテキトーなことを言ったのだろうけど。
その部長の予言は一年後。
当たることになるのだった。
(終わり?)
3月が終わろうとしている。
18時になると、要さんの元にぶわーとオジサン集団が駆け寄って。
要さんは花束やら、お菓子やら色々とプレゼントを貰っていた。
王子は、王子でオバチャン達から色々とプレゼントを貰っていた。
一通り、挨拶が済むと。
王子と要さんと、香川さんと何人かの人達で帰っていく。
飲み会らしい。
帰り際、王子と目が合った気がしたけど。
すぐにそらした。
うるさかった空間が一気に静まり返る。
ぼんやりと座っていると。
「勝又」
と、部長に呼ばれた。
部長は、会社を辞めるそうだ。
理由は聴いていない。
「はい」
返事をすると、部長は黙った。
「なんでしょう?」
「おまえ、やっぱり元気ないな。部下が病んでいるのに、此処を去るのも気になるだろうが」
「病んでるんですかね」
乾いた声で答える。
「悩んでいるのか?」
部長は座ったまま、こっちを見た。
「何ですかね・・・虚しいというか。やり切った感があるというか」
「燃え尽き症候群か?」
「どうしてですかね。努力が報われないというか…、こんなに空っぽなのは」
王子に告白して、フラれました。
だなんて、言えない。
覚悟はしていたけど。
実際にフラれたら。
ショックで、落ち込んだ。
あの後、レイカに「砕けました」とメッセージを送ったら。
「じゃあ、拾いにいくわ」と返事が来た。
弟には、まだ連絡はしてない。
現実を受け入れるのは、やっぱり。辛いものだ。
「努力が報われないか…」
部長は立ち上がった。
「勝又、おまえの努力を見ている奴が必ずいるさ」
「そうですかね…」
「おまえの努力を見て、おまえが頑張っている姿を見ている人が必ずいる。そして、そいつがきっとお前を救ってくれるだろ」
「…まるで、占い師さんみたいですね」
「勝又、今は報われなくても将来必ずお前を助ける奴が現れて、報われる日が来る。それは、断言する」
「そんな人、現れないですって」
部長とかわした最後のやりとりだった。
部長は慰めてテキトーなことを言ったのだろうけど。
その部長の予言は一年後。
当たることになるのだった。
(終わり?)