嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
わたし以外の出場者が先に帰り、わたしは最後の最後まで衣装を選んだ。
わたしが自分自身で選び、皆に喜んでもらえる衣装にしたい。
ただその一心で、ドレスと向き合い続けた。
「ことちゃん、それでいい?」
「はい!」
園田さんに手伝ってもらってドレスに着替える。
わたしもいつか、最愛の人の前で着られる日が来るのかな?
「ことちゃん、似合ってるよ!」
「ありがとうございます」
ドレスを着ただけでこんなに変わるんだな...。
わたしじゃないみたいだ。
大きな鏡を見ながらそう思った。
「じゃあ、すっごく嫌だけどアイツ呼んでくるね」
園田さんは扉の向こうにいる赤星くんを呼んだ。
わたしは彼らに背を向け、次第に暗くなっていく空に目を向けた。
ガラス窓の外に広がる夜空には月が1つ浮かんでいた。
コツコツ...と足音が近付く。
「ことちゃん」
赤星くんがわたしの名前を呼んでくれた。
あの日、あの時、あの場所で呼ばれなかった名前...。
わたしは精一杯笑顔を作って振り向いた。
「―――きれいだ...」
「あったり前じゃない!あんたが食おうとした絶世の美女だよ!今さら何いってんのよ!」
赤星くんは徐々にわたしに近づいてくる。
わたしは両腕を広げた。
「ことちゃん?!」
園田さんの驚きの声が広い部屋に反響する。
飛び込んで下さい。
わたしが...
ちゃんと受け止めますから。
「ことちゃん...さっきはごめん。なんか...その...好きすぎて...止められなくなって。それでその...」
「もう、大丈夫です」
「えっ...」
「わたしに、"襲う"の意味、教えて下さったんですよね?」
「いや、そう言うわけじゃ...」
「何、ぐだぐだ言ってるんですか!わたしがそう思うならそうなんです。だから...早く飛び込んで下さい。わたし、腕、疲れちゃいますよ」
「ことちゃん...」
赤星くんはわたしの腕に優しく飛び込んで来た。
わたしは、思う。
この優しさが色々な人を傷つけ、自分は傷つけられてしまうのだと。
だから、わたしは
せめてわたしくらいは
赤星くんの傷を癒す存在になりたい。
わたしくらいには
甘えてもらいたい。
わたしが宿主樹木で、。
赤星くんは宿り木でいいから。
疲れたらわたしから栄養を奪ってもいい。
いくら休んでもいい。
その代わり、力強く生きてほしい。
自分のことも愛してほしい。
そう強く思う。
「ことちゃん、大好きだよ」
わたしが自分自身で選び、皆に喜んでもらえる衣装にしたい。
ただその一心で、ドレスと向き合い続けた。
「ことちゃん、それでいい?」
「はい!」
園田さんに手伝ってもらってドレスに着替える。
わたしもいつか、最愛の人の前で着られる日が来るのかな?
「ことちゃん、似合ってるよ!」
「ありがとうございます」
ドレスを着ただけでこんなに変わるんだな...。
わたしじゃないみたいだ。
大きな鏡を見ながらそう思った。
「じゃあ、すっごく嫌だけどアイツ呼んでくるね」
園田さんは扉の向こうにいる赤星くんを呼んだ。
わたしは彼らに背を向け、次第に暗くなっていく空に目を向けた。
ガラス窓の外に広がる夜空には月が1つ浮かんでいた。
コツコツ...と足音が近付く。
「ことちゃん」
赤星くんがわたしの名前を呼んでくれた。
あの日、あの時、あの場所で呼ばれなかった名前...。
わたしは精一杯笑顔を作って振り向いた。
「―――きれいだ...」
「あったり前じゃない!あんたが食おうとした絶世の美女だよ!今さら何いってんのよ!」
赤星くんは徐々にわたしに近づいてくる。
わたしは両腕を広げた。
「ことちゃん?!」
園田さんの驚きの声が広い部屋に反響する。
飛び込んで下さい。
わたしが...
ちゃんと受け止めますから。
「ことちゃん...さっきはごめん。なんか...その...好きすぎて...止められなくなって。それでその...」
「もう、大丈夫です」
「えっ...」
「わたしに、"襲う"の意味、教えて下さったんですよね?」
「いや、そう言うわけじゃ...」
「何、ぐだぐだ言ってるんですか!わたしがそう思うならそうなんです。だから...早く飛び込んで下さい。わたし、腕、疲れちゃいますよ」
「ことちゃん...」
赤星くんはわたしの腕に優しく飛び込んで来た。
わたしは、思う。
この優しさが色々な人を傷つけ、自分は傷つけられてしまうのだと。
だから、わたしは
せめてわたしくらいは
赤星くんの傷を癒す存在になりたい。
わたしくらいには
甘えてもらいたい。
わたしが宿主樹木で、。
赤星くんは宿り木でいいから。
疲れたらわたしから栄養を奪ってもいい。
いくら休んでもいい。
その代わり、力強く生きてほしい。
自分のことも愛してほしい。
そう強く思う。
「ことちゃん、大好きだよ」