嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
わたしはその日、当日の内容で聞きたいことがあり、赤星くんに聞こうと生徒会室にやって来た。
「失礼します。2年6組の星名湖杜です」
「あっ!来たーっ!」
わたしはびっくりして目をぱちぱちさせた。
急に見知らぬ男子から突進され、がっつりハグされたのだ。
「あのぉ、どちら様で?」
その前に何か言わなければならないことがあったような気がするけれど、わたしの口からはそれしか出なかった。
相手の男子がにこにこしながら話し出す。
「おれは、1年の白鷺未悠(しらさぎみゅう)っていいます!ポスターを見て一目惚れしました!だから、おれと...」
わたしは咄嗟に白鷺くんの口を右手で塞いだ。
だってこの方...。
「軽々しく告白してはなりません!」
とりあえずそういうと、わたしは手を離した。
しょんぼりする白鷺くん。
しかし、言うことは言う。
「あのぉ、でもおれ、本気です!好きになったら止まれませんから!」
すっごく感動する告白をしてくれるのはありがたいのだけれど、今は...ダメ。
いや、今も未来もダメ。
わたしは彼を傷つけることなく諦めさせる文言を考えた。
ここは一度、冷静にならねば。
わたしは誠実な彼の目を見て言った。
「恋にはアクセルだけが必要なのではありません。時にはブレーキを踏んで立ち止まることも重要です。ですから、よく考えてから行動してください」
白鷺くんは口を尖らせた。
分かってもらえたかな...。
一抹の不安を感じながら、彼の次の言葉を待った。
「分かりました。そうします。...でも、おれは負けません。自分にも、誰にも」
白鷺くんはそう言い残すと、さっといなくなってしまった。
園田さんが彼を気に入った理由はなんとなく分かった。
白鷺くんは真っ直ぐなんだ。
ストレートに愛情表現するし、きっと甘え上手なのだろう。
そう言うところが園田さんにとっては、可愛いになるんだ。
しかし、彼の想いを受け入れることは出来ない。
恋の何も分からないわたしに恋はまだ早すぎるし、第一、園田さんの恋を邪魔する気なんて更々ない。
はて...どうしましょ?
と思いながら視線を奥へ写すと、青柳くんがいた。
ということは、さっきのことも見られていた...。
ずっぎょ~ん。
なんて言っている場合じゃない。
ひとまず、挨拶しないと。
「あのぉ、青柳くん、こんにちは」
「ああ、こんにちは」
なんか、不思議な挨拶しちゃった。
こんにちはなんてわざわざ言う人いないでしょう。
ああ、どうしよう。
さっきのこと、話した方がいいかな?
いや、青柳くんに迷惑かけるから言わない方が...
でもでも、悩みは共有した方が良いのでは?
ああ、どうしよ、どうしよ。
ずっぎょ~んのぎゃっびーんのびーん!
心の中で魔法の言葉を唱えて
まさかのフリーズ。
しばらく思考停止してからわたしは感情の赴くままに話し出した。
「あのぉ、さっきの方のことなんですけど...
園田さんが好きな人ってさっきの人ですよね?」
「ああ、うん。そう、だな」
青柳くんも知ってたんだ。
良かった。
話せる人がいて良かった。
なら、きちんと相談しよう。
友だちだから。
「わたしを好きになったせいでお二方共傷付くのはなんとしても避けたいです」
「そう、だな」
青柳くんも分かってくれてる。
園田さんを大切に思う気持ちはきっと同じ。
だったら、やれる。
頼んでみよう。
頼ってみよう。
わたしは意を決して言った。
「青柳くんも手伝って下さいませんか?おそらく、わたし1人では何も出来ないので...。また、迷惑かけることになってしまいますが」
青柳くんは首を大きく縦に振った。
わたしはそれを見て嬉しくなり、思わず笑顔を振り撒いてしまった。
気持ち悪いなんて思われてないかな?
「2人で白鷺と百合野をくっつけよう!」
わたしの心配をよそに、青柳くんはやる気満々だった。
「分かりました!くっつけ大作戦、いざ、決行です!」
ということで
この日から文化祭当日に向けて、白鷺くんと園田さんをくっつけよう!大作戦が始まった。
「失礼します。2年6組の星名湖杜です」
「あっ!来たーっ!」
わたしはびっくりして目をぱちぱちさせた。
急に見知らぬ男子から突進され、がっつりハグされたのだ。
「あのぉ、どちら様で?」
その前に何か言わなければならないことがあったような気がするけれど、わたしの口からはそれしか出なかった。
相手の男子がにこにこしながら話し出す。
「おれは、1年の白鷺未悠(しらさぎみゅう)っていいます!ポスターを見て一目惚れしました!だから、おれと...」
わたしは咄嗟に白鷺くんの口を右手で塞いだ。
だってこの方...。
「軽々しく告白してはなりません!」
とりあえずそういうと、わたしは手を離した。
しょんぼりする白鷺くん。
しかし、言うことは言う。
「あのぉ、でもおれ、本気です!好きになったら止まれませんから!」
すっごく感動する告白をしてくれるのはありがたいのだけれど、今は...ダメ。
いや、今も未来もダメ。
わたしは彼を傷つけることなく諦めさせる文言を考えた。
ここは一度、冷静にならねば。
わたしは誠実な彼の目を見て言った。
「恋にはアクセルだけが必要なのではありません。時にはブレーキを踏んで立ち止まることも重要です。ですから、よく考えてから行動してください」
白鷺くんは口を尖らせた。
分かってもらえたかな...。
一抹の不安を感じながら、彼の次の言葉を待った。
「分かりました。そうします。...でも、おれは負けません。自分にも、誰にも」
白鷺くんはそう言い残すと、さっといなくなってしまった。
園田さんが彼を気に入った理由はなんとなく分かった。
白鷺くんは真っ直ぐなんだ。
ストレートに愛情表現するし、きっと甘え上手なのだろう。
そう言うところが園田さんにとっては、可愛いになるんだ。
しかし、彼の想いを受け入れることは出来ない。
恋の何も分からないわたしに恋はまだ早すぎるし、第一、園田さんの恋を邪魔する気なんて更々ない。
はて...どうしましょ?
と思いながら視線を奥へ写すと、青柳くんがいた。
ということは、さっきのことも見られていた...。
ずっぎょ~ん。
なんて言っている場合じゃない。
ひとまず、挨拶しないと。
「あのぉ、青柳くん、こんにちは」
「ああ、こんにちは」
なんか、不思議な挨拶しちゃった。
こんにちはなんてわざわざ言う人いないでしょう。
ああ、どうしよう。
さっきのこと、話した方がいいかな?
いや、青柳くんに迷惑かけるから言わない方が...
でもでも、悩みは共有した方が良いのでは?
ああ、どうしよ、どうしよ。
ずっぎょ~んのぎゃっびーんのびーん!
心の中で魔法の言葉を唱えて
まさかのフリーズ。
しばらく思考停止してからわたしは感情の赴くままに話し出した。
「あのぉ、さっきの方のことなんですけど...
園田さんが好きな人ってさっきの人ですよね?」
「ああ、うん。そう、だな」
青柳くんも知ってたんだ。
良かった。
話せる人がいて良かった。
なら、きちんと相談しよう。
友だちだから。
「わたしを好きになったせいでお二方共傷付くのはなんとしても避けたいです」
「そう、だな」
青柳くんも分かってくれてる。
園田さんを大切に思う気持ちはきっと同じ。
だったら、やれる。
頼んでみよう。
頼ってみよう。
わたしは意を決して言った。
「青柳くんも手伝って下さいませんか?おそらく、わたし1人では何も出来ないので...。また、迷惑かけることになってしまいますが」
青柳くんは首を大きく縦に振った。
わたしはそれを見て嬉しくなり、思わず笑顔を振り撒いてしまった。
気持ち悪いなんて思われてないかな?
「2人で白鷺と百合野をくっつけよう!」
わたしの心配をよそに、青柳くんはやる気満々だった。
「分かりました!くっつけ大作戦、いざ、決行です!」
ということで
この日から文化祭当日に向けて、白鷺くんと園田さんをくっつけよう!大作戦が始まった。