嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
のだけれど、
最悪の事態が起こった。
それは放課後に起こった出来事だった。
わたしが園田さんと一緒に昇降口に来てお別れの挨拶をしようと思い、下駄箱を開け、靴を取ろうとしたのだが...。
「...ない」
「ことちゃん、どうした?」
「無いんです...わたしの靴が...」
「えっ...」
園田さんが下駄箱を覗き込む。
しかし、無いことが分かるとふっと視線を落とした。
「誰がこんなことを...」
「とりあえず、探そう。あたし、こっから奥の下駄箱を探すから、ことちゃんはあっちから探していって」
そう。
悲しんでいる場合じゃない。
とにかく、探さなきゃ。
探して見つけて早く帰ろう。
いじめごっこに付き合っている暇なんて無いんだから。
わたしは園田さんとは逆方向からスタートし、片っ端から開けては閉め、開けては閉めを繰り返した。
でも...無かった。
下駄箱に隠すという簡単なことでは無いらしい。
もっと見つかりにくい場所...。
どこだろう?
立ち上がって別の場所に移動しようと思った、まさにその時――――。
「こと先輩、お久しぶりっす!」
あの少年がやって来てしまったのだ。
わたしは園田さんに見られてはならないと思い、咄嗟にまたしゃがんだ。
「こと先輩、大丈夫っすか?」
彼が近付いてくる。
ああ...どうしよう。
でも、逃げても変な人だと思われかねないし...。
本当にどうしよう。
「こと先輩、どこか痛いとこあるんすか?」
「いや、大丈夫です」
「いやいや、大丈夫じゃないっすよ。汗、かいてるじゃないっすか」
痛いのは...心だよ。
座ってもいられない。
このままでは保健室に連れていかれてしまう。
...逃げよう。
そう覚悟したのだが、
「ことちゃん、見つかった?」
ああ。
やばばーーん...。
終わりだ。
わたしは、地獄に落とされるんだ。
園田さん、ごめんなさい。
許さなくていいです。
だから、せめて地獄行きだけは回避させてください。
「園田さん...」
「こんちわっす!こと先輩のお友達っすか?」
園田さんは何かを悟ったように、わたしに頷いてみせた。
わたしはどうすることも出来ず、ほわわーんとしていると園田さんが話し出した。
「あたしはことちゃんの一番の友達の園田百合野です。実は、ことちゃんのローファーが無くなっちゃって...。良かったら一緒に探してくれない?」
「もちろんです!こと先輩のピンチはおれがなんとかします!ったく、人の靴隠して何が楽しいんすかね?」
白鷺くんは勢い良く校庭の方に駆け出していった。
わたしは園田さんを見つめた。
「園田さん...」
「ぼけっとしてないで、早く行くよ!」
半ば引っ張られて立ち上がった。
園田さんは、いつも通り、凛々しかった。
どんな時でも頼もしい。
けれど、今は頼っちゃいけない。
頼る資格なんてない。
「わたし、お手洗い、見てきますね」
「こと先輩、百合野先輩!こっち来てください!ありました!」
わたしがぼけっとしている間に靴は見つかった。
でも、
園田さんの心は...見えなくなった。
最悪の事態が起こった。
それは放課後に起こった出来事だった。
わたしが園田さんと一緒に昇降口に来てお別れの挨拶をしようと思い、下駄箱を開け、靴を取ろうとしたのだが...。
「...ない」
「ことちゃん、どうした?」
「無いんです...わたしの靴が...」
「えっ...」
園田さんが下駄箱を覗き込む。
しかし、無いことが分かるとふっと視線を落とした。
「誰がこんなことを...」
「とりあえず、探そう。あたし、こっから奥の下駄箱を探すから、ことちゃんはあっちから探していって」
そう。
悲しんでいる場合じゃない。
とにかく、探さなきゃ。
探して見つけて早く帰ろう。
いじめごっこに付き合っている暇なんて無いんだから。
わたしは園田さんとは逆方向からスタートし、片っ端から開けては閉め、開けては閉めを繰り返した。
でも...無かった。
下駄箱に隠すという簡単なことでは無いらしい。
もっと見つかりにくい場所...。
どこだろう?
立ち上がって別の場所に移動しようと思った、まさにその時――――。
「こと先輩、お久しぶりっす!」
あの少年がやって来てしまったのだ。
わたしは園田さんに見られてはならないと思い、咄嗟にまたしゃがんだ。
「こと先輩、大丈夫っすか?」
彼が近付いてくる。
ああ...どうしよう。
でも、逃げても変な人だと思われかねないし...。
本当にどうしよう。
「こと先輩、どこか痛いとこあるんすか?」
「いや、大丈夫です」
「いやいや、大丈夫じゃないっすよ。汗、かいてるじゃないっすか」
痛いのは...心だよ。
座ってもいられない。
このままでは保健室に連れていかれてしまう。
...逃げよう。
そう覚悟したのだが、
「ことちゃん、見つかった?」
ああ。
やばばーーん...。
終わりだ。
わたしは、地獄に落とされるんだ。
園田さん、ごめんなさい。
許さなくていいです。
だから、せめて地獄行きだけは回避させてください。
「園田さん...」
「こんちわっす!こと先輩のお友達っすか?」
園田さんは何かを悟ったように、わたしに頷いてみせた。
わたしはどうすることも出来ず、ほわわーんとしていると園田さんが話し出した。
「あたしはことちゃんの一番の友達の園田百合野です。実は、ことちゃんのローファーが無くなっちゃって...。良かったら一緒に探してくれない?」
「もちろんです!こと先輩のピンチはおれがなんとかします!ったく、人の靴隠して何が楽しいんすかね?」
白鷺くんは勢い良く校庭の方に駆け出していった。
わたしは園田さんを見つめた。
「園田さん...」
「ぼけっとしてないで、早く行くよ!」
半ば引っ張られて立ち上がった。
園田さんは、いつも通り、凛々しかった。
どんな時でも頼もしい。
けれど、今は頼っちゃいけない。
頼る資格なんてない。
「わたし、お手洗い、見てきますね」
「こと先輩、百合野先輩!こっち来てください!ありました!」
わたしがぼけっとしている間に靴は見つかった。
でも、
園田さんの心は...見えなくなった。