嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
それから月日が流れ、文化祭まで2週間を切ったある日の昼休み。
毎日欠かすことなく行ってきた、胸キュン告白の練習を今日もしなくてはならないと女優モードにスイッチを切り替え、青柳くんの登場を待っていた。
なかなか登場せず、昼休みから10分が経過し、そろそろお弁当を食べようかなと思っていた、その時。
「星名。遅れてごめん」
青柳くんが全速力で走って登場して来た。
額にも首筋にも汗をびっしょりかいていた。
「どうなさったんですか?」
「星名...超ビッグニュースがある」
ビッグニュース...。
もしかして...園田さんと白鷺くんが遂に...?!
「アップルボビングの準備が出来た。今日、星名ん家に届く。だから、今日は早く帰って練習しろ」
なんだ...
そのことか。
自分が頼んでおいたのにこんなこと言うのも申し訳なさすぎるのだけれど、今はそんなことどうでもいい。
今気になるのは、あの2人のことなんだ。
園田さんは変わらず笑顔で接してくれてるけど、それが本心じゃないことくらい、いくらぼけっとしているわたしでも分かる。
だから...素直に喜べない。
わたしにだけ何でも与えられているなんてずるい。
不平等だ。
「星名...?」
「ありがとうございます。今日から練習がんばりますね」
だからと言って青柳くんを困らせるわけにもいかない。
偽りの笑顔を作った。
これでいい。
いつまでも分からなくていい。
わたしの心は...。
「さあ、今日もやりましょう。今日のシチュエーションは、自分の好きな人に好きな人がいる場合です」
自分で考えたくせに、見事に落胆した。
これって...園田さんのことじゃん。
わたし、
最低だ。
最低だ、最低だ、最低だ!
なんで、なんで、なんで...
今の今まで気づかないの?
わたしは、弁当箱を持って立ち上がった。
「青柳くん、ごめんなさい...。今日は...練習出来ません」
「おい、星名!」
わたしは拳を握って
腕を大きく振って
足を遠くに踏込み、
駆けた。
すれ違う生徒の視線も
どこからか聞こえてくる先生の大声も、
全てを振り払って
全て聞こえないふりをして
とにかく
とにかく
走った。
嫌いな自分もまるごと振り落としたかった。
毎日欠かすことなく行ってきた、胸キュン告白の練習を今日もしなくてはならないと女優モードにスイッチを切り替え、青柳くんの登場を待っていた。
なかなか登場せず、昼休みから10分が経過し、そろそろお弁当を食べようかなと思っていた、その時。
「星名。遅れてごめん」
青柳くんが全速力で走って登場して来た。
額にも首筋にも汗をびっしょりかいていた。
「どうなさったんですか?」
「星名...超ビッグニュースがある」
ビッグニュース...。
もしかして...園田さんと白鷺くんが遂に...?!
「アップルボビングの準備が出来た。今日、星名ん家に届く。だから、今日は早く帰って練習しろ」
なんだ...
そのことか。
自分が頼んでおいたのにこんなこと言うのも申し訳なさすぎるのだけれど、今はそんなことどうでもいい。
今気になるのは、あの2人のことなんだ。
園田さんは変わらず笑顔で接してくれてるけど、それが本心じゃないことくらい、いくらぼけっとしているわたしでも分かる。
だから...素直に喜べない。
わたしにだけ何でも与えられているなんてずるい。
不平等だ。
「星名...?」
「ありがとうございます。今日から練習がんばりますね」
だからと言って青柳くんを困らせるわけにもいかない。
偽りの笑顔を作った。
これでいい。
いつまでも分からなくていい。
わたしの心は...。
「さあ、今日もやりましょう。今日のシチュエーションは、自分の好きな人に好きな人がいる場合です」
自分で考えたくせに、見事に落胆した。
これって...園田さんのことじゃん。
わたし、
最低だ。
最低だ、最低だ、最低だ!
なんで、なんで、なんで...
今の今まで気づかないの?
わたしは、弁当箱を持って立ち上がった。
「青柳くん、ごめんなさい...。今日は...練習出来ません」
「おい、星名!」
わたしは拳を握って
腕を大きく振って
足を遠くに踏込み、
駆けた。
すれ違う生徒の視線も
どこからか聞こえてくる先生の大声も、
全てを振り払って
全て聞こえないふりをして
とにかく
とにかく
走った。
嫌いな自分もまるごと振り落としたかった。