嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
Ⅲ 嵐に突入
文化祭前日。
クラスのカフェの準備が終わり、これから汐泉のところに向かおうと思った時。
珍しく汐泉からラインがあり、今日は10時にしてほしいとのこと。
汐泉の愛用のウサギのスタンプが押されていて、目がうるうるし、"お願い"の文字つき。
オレは即答。
"いいよ。今日も楽しみにしてる"
―――嘘。
こんなの嘘に決まってるだろ。
オレは朱比香様と汐泉のご機嫌取りで疲れはてているんだよ。
ダッシュで帰って眠りたいんだよ、本当は。
結局、カフェのメニューもスタッフの配置もシフトも全部オレ1人で決め、なんとかクラスの心優しい奴らに助けてもらってここまで来たんだ。
この1ヶ月は地獄のようだった。
グツグツと真っ赤に煮えたぎる地獄温泉の中で毎日毎日全力で泳がされ、息継ぎも出来ず、何度も溺れかけた。
足を着いたらそのまま底に沈められそうで、一度上がったら泳ぎたくなくなりそうで、何も対処出来なかった。
泳ぎ疲れた末に、ようやくゴールが見えてきた。
あとはもうやるしかないのだ。
ひとまず、汐泉に会うまでに時間が出来た。
百合野と行ったカフェで時間になるまでボーッとしてようか。
たまにカッコつけて、アイスコーヒーをブラックで飲んでみちゃったりしながら。
そんなことを考えながら、長い廊下を歩いていると、生徒会室が視界に入ってきた。
どうやら中に人がいるようだ。
そっと中を覗くと...。
オレは大声を上げそうになった。
なんと、中には星名と赤星がいたのだ。
やはり、あの2人、付き合っているのか?
生徒会室で密会とは...。
甘過ぎて吐き気がする。
このままでは本当に体調を崩しかねないので退散しよう。
と思った、その時だった。
「星名湖杜さん。俺がミスターコンテストでグランプリを取ったら、付き合って下さい!」
なんちゅうこと?!
えっ?
は?
えっ?
色々衝撃が重なり過ぎて頭が処理しきれない。
頭...パンクする。
「俺ね、今、ことちゃんにキスしたいの、すっごく我慢してるんだ。だから...」
「分かりました。我慢したらご褒美が必要ですからね。その約束...いたしましょう」
何を言うとんねん、コイツら。
イカれてるよ、完璧に。
しかも、なんでこの歳で指切りしてるんだよ。
つうか、なんでたまに関西弁出とんねん!
「がんばってくださいね」
「ことちゃんも頑張って」
「はい。がんばります!」
オレは昇降口まで猛ダッシュした。
ったく、もう!
どいつもコイツもオレの心をかきみだしやがって。
何度も言う。
オレは疲れてるんだ。
休ませてくれよ...。
心の中のモヤモヤを振り払うようにオレは自転車にまたがると、全速力で漕いで駅に向かい電車に飛び乗った。
電車に揺られている間はいつもは無心になれるのに、今日はそれもできなかった。
何かをしないと落ち着かず、芸能界のゴシップニュースをスマホで確認しながら鼻で笑っていた。
車窓から海が覗こうが、海を目の前にしようが関係ない。
オレの心は混乱したままで、色んな感情が擦れあって摩擦熱を発生させているから、熱かった。
気付いたら砂浜に8時過ぎまで寝そべっていた。
いや、ガチ寝していた。
クラスのカフェの準備が終わり、これから汐泉のところに向かおうと思った時。
珍しく汐泉からラインがあり、今日は10時にしてほしいとのこと。
汐泉の愛用のウサギのスタンプが押されていて、目がうるうるし、"お願い"の文字つき。
オレは即答。
"いいよ。今日も楽しみにしてる"
―――嘘。
こんなの嘘に決まってるだろ。
オレは朱比香様と汐泉のご機嫌取りで疲れはてているんだよ。
ダッシュで帰って眠りたいんだよ、本当は。
結局、カフェのメニューもスタッフの配置もシフトも全部オレ1人で決め、なんとかクラスの心優しい奴らに助けてもらってここまで来たんだ。
この1ヶ月は地獄のようだった。
グツグツと真っ赤に煮えたぎる地獄温泉の中で毎日毎日全力で泳がされ、息継ぎも出来ず、何度も溺れかけた。
足を着いたらそのまま底に沈められそうで、一度上がったら泳ぎたくなくなりそうで、何も対処出来なかった。
泳ぎ疲れた末に、ようやくゴールが見えてきた。
あとはもうやるしかないのだ。
ひとまず、汐泉に会うまでに時間が出来た。
百合野と行ったカフェで時間になるまでボーッとしてようか。
たまにカッコつけて、アイスコーヒーをブラックで飲んでみちゃったりしながら。
そんなことを考えながら、長い廊下を歩いていると、生徒会室が視界に入ってきた。
どうやら中に人がいるようだ。
そっと中を覗くと...。
オレは大声を上げそうになった。
なんと、中には星名と赤星がいたのだ。
やはり、あの2人、付き合っているのか?
生徒会室で密会とは...。
甘過ぎて吐き気がする。
このままでは本当に体調を崩しかねないので退散しよう。
と思った、その時だった。
「星名湖杜さん。俺がミスターコンテストでグランプリを取ったら、付き合って下さい!」
なんちゅうこと?!
えっ?
は?
えっ?
色々衝撃が重なり過ぎて頭が処理しきれない。
頭...パンクする。
「俺ね、今、ことちゃんにキスしたいの、すっごく我慢してるんだ。だから...」
「分かりました。我慢したらご褒美が必要ですからね。その約束...いたしましょう」
何を言うとんねん、コイツら。
イカれてるよ、完璧に。
しかも、なんでこの歳で指切りしてるんだよ。
つうか、なんでたまに関西弁出とんねん!
「がんばってくださいね」
「ことちゃんも頑張って」
「はい。がんばります!」
オレは昇降口まで猛ダッシュした。
ったく、もう!
どいつもコイツもオレの心をかきみだしやがって。
何度も言う。
オレは疲れてるんだ。
休ませてくれよ...。
心の中のモヤモヤを振り払うようにオレは自転車にまたがると、全速力で漕いで駅に向かい電車に飛び乗った。
電車に揺られている間はいつもは無心になれるのに、今日はそれもできなかった。
何かをしないと落ち着かず、芸能界のゴシップニュースをスマホで確認しながら鼻で笑っていた。
車窓から海が覗こうが、海を目の前にしようが関係ない。
オレの心は混乱したままで、色んな感情が擦れあって摩擦熱を発生させているから、熱かった。
気付いたら砂浜に8時過ぎまで寝そべっていた。
いや、ガチ寝していた。