嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
「波琉、おっつかれー」
「青柳くん、お疲れ様です。美味しそうだったので来てしまいました」
まさかのまさかである。
百合野と星名の休憩時間がかぶったらしく、オレが廊下で1人佇んでいるところに、やつらはやって来た。
「波琉、お金出すから、おすすめちょうだい」
オレはこういう風に言われた時の適切な返事を、この数か月間の様々な経験を通して覚えた。
「いい。オレが奢るから、2人はそこで待ってて」
「マジで?波琉、奢ってくれるの?」
「いいから、大人しく待ってろ」
「やったね、ことちゃん。男を上げた波琉からプレゼントだって」
星名がオレの顔を覗き込む。
そして、くすっと笑った。
「練習の成果、出ているようで何よりです。ごちそうさまです」
ったく、どこまで自意識過剰なんだ、コイツは。
お前のお陰だけじゃねえっつうの。
面倒なことになるのが恐ろしかったため、つべこべ言わず、オレは2人にアイスコーヒーを買ってきた。
百合野はストローを外し、豪快に飲む。
将来は酒豪になるだろうなと勝手に想像しながら百合野を見ていた。
一方で星名はというと、ストローでちびちびと飲んでいた。
もしや、苦いのか?
まあ、本人が何も言ってこないからスルーしよう。
オレは飲みかけのオレンジジュースを飲んでビタミンCをチャージした。
「あのさ、波琉。お化け屋敷行かない?」
「は?」
急に何を言い出すかと思ったら、"お化け屋敷行かない?"だと?
今このタイミングで言うことか、それ!
オレは存分に休憩時間を満喫しているんだ。
それなのに、わざわざ神経を磨り減らすようなことするか?
オレは百合野に言った。
「オレはパス。断固拒否する。2人で行ってこい」
「波琉、もしや、お化け怖いの?」
「はあ?!」
「やっぱ怖いんだ!確かに波琉、昔からお化けの類い、嫌いだったもんねえ」
「ちげえよ!怖くなんてねえ!」
「いやいや、怖いから逃げ腰なんでしょうが。あたしは全部お見通しだからね!」
「うるせえ!ちげえっつってんだからちげえんだよ!」
オレと百合野が言い争いをしていると、階段の方から黄色い歓声が聞こえてきた。
何事だと声のする方を見やると、甘いマスクの彼が大輪の向日葵を持ってやって来たようだ。
しかし、なぜ?
なぜ今なんだ?
さっきから人の邪魔ばっかしてくるな、オレの身内は。
オレは呆れながらも懐かしいアイツに声をかけた。
「久しぶりだな、白鷺」
「お久しぶりっす、青柳先輩!今日は百合野先輩とこと先輩、おれの4人でお化け屋敷行きますよー!」
「はあ?何勝手に決めてんだよ。オレは行かないからな」
オレは身を翻し、教室に戻ろうとしたが、白鷺が腕をつかんだ。
そして、若干背伸びをしてオレに耳打ちする。
「お互い、頑張りましょう」
「は?」
意味不明。
お互い頑張るって何を?
お化け屋敷に入って何を頑張るんだ?
頑張る必要ねえだろ、死んでる奴ら相手に。
理解できずに、ふてくされているオレを見て百合野がやってくる。
「あんた、忘れたの?ことちゃんがお化け屋敷の予約してくれたの」
...ん?
そんなこと...
あったか、確かに。
いや、でもあれは百合野と白鷺の分で、オレと星名は行かなくても良かったような...。
「未悠も予約してたんだって。2人組での予約だから2人また入れることになっちゃいましたー」
「はあ?!ふざけんな!オレは疲れてるんだ!暇人とはちげえんだよ!」
と暴れていると、身柄を拘束された。
「男なら、四の五の言わず、やることをやれ!
ってことで、行くよ!」
右手を百合野、左手を白鷺に握られ、オレはお化け屋敷へと連行された。
後ろで見守る星名だけが、まるで幽霊のようにぼーっとしていた。
「青柳くん、お疲れ様です。美味しそうだったので来てしまいました」
まさかのまさかである。
百合野と星名の休憩時間がかぶったらしく、オレが廊下で1人佇んでいるところに、やつらはやって来た。
「波琉、お金出すから、おすすめちょうだい」
オレはこういう風に言われた時の適切な返事を、この数か月間の様々な経験を通して覚えた。
「いい。オレが奢るから、2人はそこで待ってて」
「マジで?波琉、奢ってくれるの?」
「いいから、大人しく待ってろ」
「やったね、ことちゃん。男を上げた波琉からプレゼントだって」
星名がオレの顔を覗き込む。
そして、くすっと笑った。
「練習の成果、出ているようで何よりです。ごちそうさまです」
ったく、どこまで自意識過剰なんだ、コイツは。
お前のお陰だけじゃねえっつうの。
面倒なことになるのが恐ろしかったため、つべこべ言わず、オレは2人にアイスコーヒーを買ってきた。
百合野はストローを外し、豪快に飲む。
将来は酒豪になるだろうなと勝手に想像しながら百合野を見ていた。
一方で星名はというと、ストローでちびちびと飲んでいた。
もしや、苦いのか?
まあ、本人が何も言ってこないからスルーしよう。
オレは飲みかけのオレンジジュースを飲んでビタミンCをチャージした。
「あのさ、波琉。お化け屋敷行かない?」
「は?」
急に何を言い出すかと思ったら、"お化け屋敷行かない?"だと?
今このタイミングで言うことか、それ!
オレは存分に休憩時間を満喫しているんだ。
それなのに、わざわざ神経を磨り減らすようなことするか?
オレは百合野に言った。
「オレはパス。断固拒否する。2人で行ってこい」
「波琉、もしや、お化け怖いの?」
「はあ?!」
「やっぱ怖いんだ!確かに波琉、昔からお化けの類い、嫌いだったもんねえ」
「ちげえよ!怖くなんてねえ!」
「いやいや、怖いから逃げ腰なんでしょうが。あたしは全部お見通しだからね!」
「うるせえ!ちげえっつってんだからちげえんだよ!」
オレと百合野が言い争いをしていると、階段の方から黄色い歓声が聞こえてきた。
何事だと声のする方を見やると、甘いマスクの彼が大輪の向日葵を持ってやって来たようだ。
しかし、なぜ?
なぜ今なんだ?
さっきから人の邪魔ばっかしてくるな、オレの身内は。
オレは呆れながらも懐かしいアイツに声をかけた。
「久しぶりだな、白鷺」
「お久しぶりっす、青柳先輩!今日は百合野先輩とこと先輩、おれの4人でお化け屋敷行きますよー!」
「はあ?何勝手に決めてんだよ。オレは行かないからな」
オレは身を翻し、教室に戻ろうとしたが、白鷺が腕をつかんだ。
そして、若干背伸びをしてオレに耳打ちする。
「お互い、頑張りましょう」
「は?」
意味不明。
お互い頑張るって何を?
お化け屋敷に入って何を頑張るんだ?
頑張る必要ねえだろ、死んでる奴ら相手に。
理解できずに、ふてくされているオレを見て百合野がやってくる。
「あんた、忘れたの?ことちゃんがお化け屋敷の予約してくれたの」
...ん?
そんなこと...
あったか、確かに。
いや、でもあれは百合野と白鷺の分で、オレと星名は行かなくても良かったような...。
「未悠も予約してたんだって。2人組での予約だから2人また入れることになっちゃいましたー」
「はあ?!ふざけんな!オレは疲れてるんだ!暇人とはちげえんだよ!」
と暴れていると、身柄を拘束された。
「男なら、四の五の言わず、やることをやれ!
ってことで、行くよ!」
右手を百合野、左手を白鷺に握られ、オレはお化け屋敷へと連行された。
後ろで見守る星名だけが、まるで幽霊のようにぼーっとしていた。