嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
オレはきっかり1時に帰還した。


が、オレの席には先客がいた。



「汐泉?」


「あっ、波琉くん!ごめんね、来ちゃった」


「別にいいけど」



汐泉の隣には白鷺が座っていた。


2人でモニターをガン見している。



「あっ、こと先輩だ!」



オレはモニターに写る星名を見た。


おい...


なんだよ、


その...


キズ...。


はっきりと写り込む絆創膏。


しかも、首、額、頬の3ヶ所も。


会場のざわめきも聞こえてくる。



「湖杜さん、どうしたのかな?」


「こと先輩、いじめられてたんすよ、きっと。前に靴隠されてたことあったし」


「えっ、そうなの?」


「ええ。でも、昨日会った時には無かったのに。...ですよね、青柳先輩」



いや、だから、オレに話振るな。


汐泉はオレが他の女と関わるとすぐ不機嫌になんだから。


わざわざばらすな!


ったく。


とりあえず



「ああ、そうだったな」



と一言。


それ以上は言わない。


幸いにも、星名の話は続かなかった。


しかし、


オレは後悔していた。


星名は、大丈夫なんかじゃなかった。


友だちなのに、気付かないふりして面倒事を避けていた。


最低だ、オレ。


星名に散々頼ってきたのに、オレは助けてやれていないじゃないか。


最低だ、


最低だ、


最低だ、


オレは...


最低だ。
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