嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
Ⅳ 大嵐
遂に文化祭が始まった。


只今わたしと園田さんはたこ焼きを販売中。



「いらっしゃいませぇ。たこ焼き、美味しいですよぉ!」


「さあさ、そこのお嬢さんたち、たこ焼き食べていかないかーい?」



園田さんの面白い口調での接客のかいあって客足はだいぶ伸びてきている。


チア部の人たちが皆さん買いに来てくださったし、赤星くん効果もあり、わたしたちのクラスはわりと売れているようだ。



「いやあ、ハチマキ姿のことちゃんもすっごく可愛いね」



生徒会の発表を終えて赤星くんも合流した。



「あんたさ、どんだけ客連れて来ちゃってんの。あたしとことちゃんじゃ、この人数さばききれないんだけど」



ぎゃ!


赤星くんの甘い言葉に酔っていて気づかなかったが、よく見るとすごい人数の女子たちが入り口付近で行列を成していた。


わたしがあわわわ...とテンパっていると、赤星くんがさりげなくわたしの隣に立ってたこ焼きを作り始めた。


その手さばきといったら、もう、すごかった。


びっくりして目を何回もぱちぱちさせた。


薄く生地を流し込み、火が通ったらたこを穴に入れて素早く回転させる。


焼き色もキレイで、とても素人が作ったようには思えない。


わたしなんか要らない。


完全に戦力外。


退場したいです。



「ことちゃんはお金預かってたこ焼き渡してきて」


「はいっ!」



わたしは赤星くんのスピードに着いて行けるようとにかく俊敏に動き回った。


園田さんと赤星くんペアがすごすぎて、待っている女性たちも歓声をあげていた。
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