嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
暫くして、青柳くんは手にアイスコーヒーを2つ持って登場した。
園田さんはストローを外し、豪快に飲む。
そうとう、喉乾いてたんだなぁ。
確かにたこ焼き機の回りは熱い。
この時期だからまだマシだけど、1ヶ月前だったら汗だくだっただろう。
真夏でもがんばってたこ焼きを作って下さっているたこ焼き業界の皆様、感謝致します。
真夏にも美味しいたこ焼きを作って下さり、本当にありがとうございます。
などとたこ焼きに思いを巡らせながら、わたしはストローでちびちびとほろ苦いコーヒーを飲んでいた。
青柳くんは飲みかけのオレンジジュースを飲んでビタミンCをチャージしているようだった。
オレンジよりもいちごの方が100gあたりのビタミンC含有量が多いらしいけど、ショックをうけられては困るから、今は黙っておこう。
「あのさ、波琉。お化け屋敷行かない?」
「は?」
園田さんは急に"お化け屋敷行かない?"と言い出した。
いやいや、青柳くんが可哀想です。
休憩時間を満喫しているのに、それを邪魔するなんて、わたしは出来ない。
「オレはパス。断固拒否する。2人で行ってこい」
そうだよね。
2人で良いよね?
ん?
いや、違う。
わたし、園田さんにチケットを渡したはず。
白鷺くんと2人で行って下さいって。
でも青柳くんも誘っているってことは、もしや...チケットが増殖した?!
お化けの呪い?!
なるべく多くの人をあの世へ招こうとしているの?
「波琉、もしや、お化け怖いの?」
「はあ?!」
「やっぱ怖いんだ!確かに波琉、昔からお化けの類い、嫌いだったもんねえ」
「ちげえよ!怖くなんてねえ!」
「いやいや、怖いから逃げ腰なんでしょうが。あたしは全部お見通しだからね!」
「うるせえ!ちげえっつってんだからちげえんだよ!」
青柳くんと園田さんが言い争いをしていると、階段の方から黄色い歓声が聞こえてきた。
何事だと声のする方を見やると...。
「久しぶりだな、白鷺」
「お久しぶりっす、青柳先輩!今日は百合野先輩とこと先輩、おれの4人でお化け屋敷行きますよー!」
白鷺くん登場。
ええ?!
チケット4枚に増殖?!
やばばばです。
呪われてます、完全に。
「はあ?何勝手に決めてんだよ。オレは行かないからな」
わたしだって恐ろしくて行きたくありません。
青柳くんは身を翻し、教室に戻ろうとしたが、白鷺くんが強引に腕をつかんだ。
そして、なにやら耳打ちしている。
魔法の言葉で青柳くんを口説いているのだろうか。
白鷺くんが離れても尚、ふて腐れている青柳くんに園田さんが近寄る。
「あんた、忘れたの?ことちゃんがお化け屋敷の予約してくれたの」
予約はしましたよ!
でも、2枚だから。
おかしいんです、枚数が!
「未悠も予約してたんだって。2人組での予約だから2人また入れることになっちゃいましたー」
あぁ、そういうことか...。
びっくりした。
増殖したなんて本気で思ってしまった。
お化け屋敷に入る前からぞくぞくしたぁ...。
「はあ?!ふざけんな!オレは疲れてるんだ!暇人とはちげえんだよ!」
青柳くんが大声を出していると、園田さんに身柄を拘束された。
「男なら、四の五の言わず、やることをやれ!
ってことで、行くよ!」
右手を園田さん、左手を白鷺くんに握られ、青柳くんはうなだれながらお化け屋敷へと連行された。
後ろで見守るわたしだけが、まるで幽霊のようにぼーっとしていた。
園田さんはストローを外し、豪快に飲む。
そうとう、喉乾いてたんだなぁ。
確かにたこ焼き機の回りは熱い。
この時期だからまだマシだけど、1ヶ月前だったら汗だくだっただろう。
真夏でもがんばってたこ焼きを作って下さっているたこ焼き業界の皆様、感謝致します。
真夏にも美味しいたこ焼きを作って下さり、本当にありがとうございます。
などとたこ焼きに思いを巡らせながら、わたしはストローでちびちびとほろ苦いコーヒーを飲んでいた。
青柳くんは飲みかけのオレンジジュースを飲んでビタミンCをチャージしているようだった。
オレンジよりもいちごの方が100gあたりのビタミンC含有量が多いらしいけど、ショックをうけられては困るから、今は黙っておこう。
「あのさ、波琉。お化け屋敷行かない?」
「は?」
園田さんは急に"お化け屋敷行かない?"と言い出した。
いやいや、青柳くんが可哀想です。
休憩時間を満喫しているのに、それを邪魔するなんて、わたしは出来ない。
「オレはパス。断固拒否する。2人で行ってこい」
そうだよね。
2人で良いよね?
ん?
いや、違う。
わたし、園田さんにチケットを渡したはず。
白鷺くんと2人で行って下さいって。
でも青柳くんも誘っているってことは、もしや...チケットが増殖した?!
お化けの呪い?!
なるべく多くの人をあの世へ招こうとしているの?
「波琉、もしや、お化け怖いの?」
「はあ?!」
「やっぱ怖いんだ!確かに波琉、昔からお化けの類い、嫌いだったもんねえ」
「ちげえよ!怖くなんてねえ!」
「いやいや、怖いから逃げ腰なんでしょうが。あたしは全部お見通しだからね!」
「うるせえ!ちげえっつってんだからちげえんだよ!」
青柳くんと園田さんが言い争いをしていると、階段の方から黄色い歓声が聞こえてきた。
何事だと声のする方を見やると...。
「久しぶりだな、白鷺」
「お久しぶりっす、青柳先輩!今日は百合野先輩とこと先輩、おれの4人でお化け屋敷行きますよー!」
白鷺くん登場。
ええ?!
チケット4枚に増殖?!
やばばばです。
呪われてます、完全に。
「はあ?何勝手に決めてんだよ。オレは行かないからな」
わたしだって恐ろしくて行きたくありません。
青柳くんは身を翻し、教室に戻ろうとしたが、白鷺くんが強引に腕をつかんだ。
そして、なにやら耳打ちしている。
魔法の言葉で青柳くんを口説いているのだろうか。
白鷺くんが離れても尚、ふて腐れている青柳くんに園田さんが近寄る。
「あんた、忘れたの?ことちゃんがお化け屋敷の予約してくれたの」
予約はしましたよ!
でも、2枚だから。
おかしいんです、枚数が!
「未悠も予約してたんだって。2人組での予約だから2人また入れることになっちゃいましたー」
あぁ、そういうことか...。
びっくりした。
増殖したなんて本気で思ってしまった。
お化け屋敷に入る前からぞくぞくしたぁ...。
「はあ?!ふざけんな!オレは疲れてるんだ!暇人とはちげえんだよ!」
青柳くんが大声を出していると、園田さんに身柄を拘束された。
「男なら、四の五の言わず、やることをやれ!
ってことで、行くよ!」
右手を園田さん、左手を白鷺くんに握られ、青柳くんはうなだれながらお化け屋敷へと連行された。
後ろで見守るわたしだけが、まるで幽霊のようにぼーっとしていた。