嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
はあ、はあ、はあ...。


こんなに全力疾走したのはいつぶりだろう。


わたしが息を整えようとしていると、青柳くんが話しかけて来た。



「わりぃ。勝手に腕掴んでた」



あぁ、そのことか。



「いえ。むしろありがとうございました。わたし、どんくさいので、あのままでは逃げ切れませんでした。本当にありがとうございます」



わたしは、笑った。


笑った...けれど。


青柳くんが気づいた。



「星名、さっき...」


「おーい、お二人さあん!」



園田さんと白鷺くんがこちらへ向かって走ってくる。


笑おう。


とにかく、笑っていよう。


笑って明日を迎えて、どんな困難も笑って乗り越えてやる。



「お化け屋敷、楽しかった?」


「はい!とても楽しかったです!」



わたしはその後、青柳くんと2人で話すことはなかった。


何事もなく明日が終わってくれることを祈るしかなかった。
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