嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
どうしてなんだろう。


何で上手くいかないんだろう。


神様はわたしが幸せになるのがそんなにいやなのだろうか。


わたしが愛を与えても、愛に応えようとしても、その果てに待っているのは、自分の幸せでなくて他人の幸せでもなくて、他人の不幸なんだ。


だから、仕方がないのかな。


こうなることも全て、あの日に決められていたのだろう。


そう思えば、涙も出ない。


感情なんて無い。


まるでお人形のように、ドレスに着せ替えされ、お道具箱に片付けされるように、校舎から1番遠いところにある用具室に閉じ込められた。


泥にまみれたメガネでは何も見えない。


もちろん、明るい未来なんて見えない。


それでも、仕方ない。


少しだけでも幸せだと思える時間を過ごせたから、もういい。


ここで息絶えても、泣いてくれる人が1人以上見つかったからそれでいい。


姉に会えたのは良かった。


恨まれちゃったけど、わたしが居なくなれば姉だってもう恨まなくて済む。


青柳くん...。


出会えて良かったよ。


カノジョさん、愛の方向を間違っただけで何にも悪くない。


悪いのは、邪魔したわたしだから。


ごめんなさい。


そして、


ありがとう。



わたしは目を瞑った。


やっぱり聞こえてくるのは雨の音だ。


あぁ、まだ死んでない。


良かった。


もう少し、生きられそう。
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