嵐を呼ぶ噂の学園③ 大嵐が吹き荒れる文化祭にようこそです!編
と、その時だった。
「波琉くーん!」
「波琉!」
なぜこのタイミングで来るんだよ!
空気読めよ、空気を!
「あら?大丈夫?大声出してくれたら直ぐに助けたのに...。お腹痛いの?」
女性教諭がオレに気づいて中から出てくる。
「大丈夫です」
とだけ言ってそっぽを向いた。
「あの、あたし、ことちゃんが心配で様子を見に来たんです。入れてもらえますか?」
「私は波琉くんのことが心配で捜していたら、偶然百合野さんとお会いしたので、こちらに参りました。湖杜さんのことも心配なので私も入れて下さいませんか?」
「分かったわ。さあ、どうぞ」
オレたちは中に招かれた。
中庭に面した窓際のベッドにカーテンがされていた。
あの向こうに星名はいる。
いったいどんな気持ちでアイツはここにいたのだろう。
百合野が真っ先に飛び出してカーテンを勢いよく開く。
星名は、オレの想像以上に傷を負っていた。
消毒の後なのか、顔の絆創膏は剥がされ、生々しい傷口が露になっていた。
出会った春、オレは傘の下でコイツを手当てした。
絆創膏やらティッシュやらいっぱい持っていて応急措置するにはこと欠かなかったのを思い出す。
しかし、今は...。
今、コイツが負っている傷は本来負わなくても良かった傷だ。
オレが防ぐことができた傷だ。
星名...ごめん。
すっげえ、ごめん。
「ことちゃん、大丈夫?ずっと心配してたの。ごめんね、助けてあげられなくて」
「園田さんは悪くないです。悪いのは全てわたしです」
「星名さん、そんなことないでしょう?あなたは被害者なのよ」
先生と百合野が星名を養護するも、星名には聞こえていないようだった。
何かを覚悟したように、瞳の奥が燃えていた。
「とりあえず、湖杜さんが無事で良かったです」
汐泉がこの緊迫した雰囲気を溶かそうとした。
しかし、星名は喜ぶどころか、むしろ益々険しい顔になった。
「あの...申し訳ないのですが、先生と2人きりにしていただけますか。まだ、お話の途中でしたので」
凍りつく空気。
数秒の沈黙の後、百合野がわざとらしく
「そうだよね。ごめん、ごめん。体調が良くなった頃にまた来るから」
と言って、オレと汐泉に目配せし、退室した。
「波琉くーん!」
「波琉!」
なぜこのタイミングで来るんだよ!
空気読めよ、空気を!
「あら?大丈夫?大声出してくれたら直ぐに助けたのに...。お腹痛いの?」
女性教諭がオレに気づいて中から出てくる。
「大丈夫です」
とだけ言ってそっぽを向いた。
「あの、あたし、ことちゃんが心配で様子を見に来たんです。入れてもらえますか?」
「私は波琉くんのことが心配で捜していたら、偶然百合野さんとお会いしたので、こちらに参りました。湖杜さんのことも心配なので私も入れて下さいませんか?」
「分かったわ。さあ、どうぞ」
オレたちは中に招かれた。
中庭に面した窓際のベッドにカーテンがされていた。
あの向こうに星名はいる。
いったいどんな気持ちでアイツはここにいたのだろう。
百合野が真っ先に飛び出してカーテンを勢いよく開く。
星名は、オレの想像以上に傷を負っていた。
消毒の後なのか、顔の絆創膏は剥がされ、生々しい傷口が露になっていた。
出会った春、オレは傘の下でコイツを手当てした。
絆創膏やらティッシュやらいっぱい持っていて応急措置するにはこと欠かなかったのを思い出す。
しかし、今は...。
今、コイツが負っている傷は本来負わなくても良かった傷だ。
オレが防ぐことができた傷だ。
星名...ごめん。
すっげえ、ごめん。
「ことちゃん、大丈夫?ずっと心配してたの。ごめんね、助けてあげられなくて」
「園田さんは悪くないです。悪いのは全てわたしです」
「星名さん、そんなことないでしょう?あなたは被害者なのよ」
先生と百合野が星名を養護するも、星名には聞こえていないようだった。
何かを覚悟したように、瞳の奥が燃えていた。
「とりあえず、湖杜さんが無事で良かったです」
汐泉がこの緊迫した雰囲気を溶かそうとした。
しかし、星名は喜ぶどころか、むしろ益々険しい顔になった。
「あの...申し訳ないのですが、先生と2人きりにしていただけますか。まだ、お話の途中でしたので」
凍りつく空気。
数秒の沈黙の後、百合野がわざとらしく
「そうだよね。ごめん、ごめん。体調が良くなった頃にまた来るから」
と言って、オレと汐泉に目配せし、退室した。