【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい～俺様エリートとかりそめ新婚生活～

少女の夢

明るいところはいやですとか、眼鏡がないと不安ですとか、抵抗する余裕もなかった。バスルームでかき抱かれ、とめどないキスを受け止める。
すでにベッドの上でじっくりと“慣らされた”身体は、水滴が伝うだけで鳥肌が立つほど過敏になっていて、自分のことながら驚く。
びっしょりかいた汗と一緒に、シャワーのお湯が身体の上を流れていく。それを追うように一臣さんの手が、私の全身をなぞる。
「一臣さん……」
「そろそろ戻ろうか」
声だけは優しい一臣さんだ。
だけど脚のつけねをくすぐる指が気になって、返事ができない。
震える息をなんとか整え、はい、と言おうとした。そのタイミングを待っていたかのように、彼の指が柔らかい場所をそっと抉る。
返事は悲鳴にしかならなかった。
崩れ落ちてしまわないよう、一臣さんの濡れた身体にしがみつく。腰に回した腕で私をしっかり支えながら、もう一方の手で好き勝手をする。
こんな体験をする日が自分にやってくるなんて。
「花恋」
ベッドにいるうちから、一臣さんはくり返し私の名前を呼んだ。返事をしてもしなくても、続いてなにか発言があるわけじゃない。
ただ唇から勝手にこぼれてしまうみたいに、花恋、花恋、と口にする。
「……はい」
「好きだ、花恋」
降り注ぐお湯が、一臣さんのきれいな形の唇から滴になって、ぽたりと私に落ちる。それをふたりで味わうみたいにキスをした。
身体を拭くのもそこそこに、大判のバスタオルで私をくるんで、一臣さんは私をベッドへ運んだ。
荷物みたいに小脇に抱えられたかと思ったら、スプリングの上に投げ出される。
彼のベッドはほどよく硬い。ボンとはずんだ私の上に、一臣さんが覆いかぶさってきた。その勢いのままキスをしようとしたせいで、歯がぶつかる。
思わず笑ったら、一臣さんがほっとした顔になった。