【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
「全部組み立て式だな? 手伝うよ」
「いえっ、いえ! とんでもない! 自分でやります!」
「どうして?」
「得意なので!」
またインタホンが鳴る。おそらく宅配で送ったテレビとテレビ台だ。
私は廊下に飛び出してさっきと同じ対応をし、急いで部屋に戻った。
手遅れだった。諏訪さんは組み立て家具のひとつを手に取り、表に貼ってある完成写真をしげしげと眺めている。
猫足の、真っ白な本体に金色の取っ手がついた、小さなドレッサー。
私はよくわからない内容の悲鳴を発しながら彼に飛びつき、それを奪い返した。
「す、すみません! ろくにメイクもしないくせに、こんなものを」
「いや……」
ぽかんとしている彼は、今度は筒状に丸めてあるラグに興味を移す。保護用の紙をはがすと、本来のパッケージが現れ、そこにはやはりイメージ写真があった。
白とピンクの、薔薇の形のラグ。美しい女性モデルが座っている姿は、まるで花の中から生まれたみたいに見える。
なにか言われるより先にと、まくしたてたかったが、言葉が出てこなかった。
顔が火を噴きそうに熱い。かつ血の気が引いて今にも倒れそうだというよくわからない状況になっている。
チャイムが鳴った。思わずひっと飛び上がった私をその場に押しとどめ、諏訪さんが玄関に出ていってしまう。そして私のテレビ台を手に戻ってきた。
プチプチした透明の梱包材で巻いただけのそれは、中身が丸見えだ。
ドールセットの家具をそのまま大きくしたような、薄い水色とピンクの花があふれんばかりにくっついた、四角い台。
部屋の中で硬直している私とテレビ台を、彼が交互に見る。
そして不思議そうにつぶやいた。
「……意外な趣味だな?」
終わった。
「いえっ、いえ! とんでもない! 自分でやります!」
「どうして?」
「得意なので!」
またインタホンが鳴る。おそらく宅配で送ったテレビとテレビ台だ。
私は廊下に飛び出してさっきと同じ対応をし、急いで部屋に戻った。
手遅れだった。諏訪さんは組み立て家具のひとつを手に取り、表に貼ってある完成写真をしげしげと眺めている。
猫足の、真っ白な本体に金色の取っ手がついた、小さなドレッサー。
私はよくわからない内容の悲鳴を発しながら彼に飛びつき、それを奪い返した。
「す、すみません! ろくにメイクもしないくせに、こんなものを」
「いや……」
ぽかんとしている彼は、今度は筒状に丸めてあるラグに興味を移す。保護用の紙をはがすと、本来のパッケージが現れ、そこにはやはりイメージ写真があった。
白とピンクの、薔薇の形のラグ。美しい女性モデルが座っている姿は、まるで花の中から生まれたみたいに見える。
なにか言われるより先にと、まくしたてたかったが、言葉が出てこなかった。
顔が火を噴きそうに熱い。かつ血の気が引いて今にも倒れそうだというよくわからない状況になっている。
チャイムが鳴った。思わずひっと飛び上がった私をその場に押しとどめ、諏訪さんが玄関に出ていってしまう。そして私のテレビ台を手に戻ってきた。
プチプチした透明の梱包材で巻いただけのそれは、中身が丸見えだ。
ドールセットの家具をそのまま大きくしたような、薄い水色とピンクの花があふれんばかりにくっついた、四角い台。
部屋の中で硬直している私とテレビ台を、彼が交互に見る。
そして不思議そうにつぶやいた。
「……意外な趣味だな?」
終わった。