【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
「……似合うとか似合わないとか、そういう話か?」
「諏訪さんも意外だとおっしゃったでしょう」
「言葉どおり、意外だったからだ。それが悪いなんて言ってない」
「ですが……」
これ以上言うこともなくなり、会話が途切れる。
諏訪さんが私の手からそっとスーツケースを取り上げ、壁際のほうへ転がした。
「とりあえず、部屋を完成させないか?」
はい、と言うしかなかった。
「寝具はどこに置く? この部屋のクローゼットじゃ奥行きが足りない」
「畳んで隅に置こうと思います。その間はこの布で隠そうかなと」
私はそのために買った、リバティプリントのハーフサイズのテーブルクロスを広げて見せた。淡いパープルの花柄だ。
生地見本ではいい感じだったのだけれど、この面積でこの柄は、あらためて見るとなかなか押しが強い。でも好きだ。
諏訪さんは「了解」とそれを受け取り、部屋の角に畳んで積んだ寝具をふわっと覆い、枕をその上に立てかけた。
白いフリルの枕カバーのおかげで、クロスの存在感が軽くなり、じつに具合よく収まった。あの角はお気に入りのエリアになりそうだ。
「ベッドは買わなかったんだ?」
「さすがにもったいないかなと」
「まあそうだよな。これも組み立てていい?」
彼が小さなローテーブルのキットをこちらに見せる。私が今私物を並べている棚も、彼があっという間に組み立ててくれた。
「お願いします」
「よくこれをひとりでやろうと思ったな」
「時間をかければ、なんとかなるかと思い……」
最初、私主導で組み立てを始めたものの、あまりの手際の悪さに「俺がやるよ」と諏訪さんが引き取ったのだ。
「図工はダメだったのを思い出しました」
「『得意なので!』はなんだったんだ」
「口から出まかせです」
「諏訪さんも意外だとおっしゃったでしょう」
「言葉どおり、意外だったからだ。それが悪いなんて言ってない」
「ですが……」
これ以上言うこともなくなり、会話が途切れる。
諏訪さんが私の手からそっとスーツケースを取り上げ、壁際のほうへ転がした。
「とりあえず、部屋を完成させないか?」
はい、と言うしかなかった。
「寝具はどこに置く? この部屋のクローゼットじゃ奥行きが足りない」
「畳んで隅に置こうと思います。その間はこの布で隠そうかなと」
私はそのために買った、リバティプリントのハーフサイズのテーブルクロスを広げて見せた。淡いパープルの花柄だ。
生地見本ではいい感じだったのだけれど、この面積でこの柄は、あらためて見るとなかなか押しが強い。でも好きだ。
諏訪さんは「了解」とそれを受け取り、部屋の角に畳んで積んだ寝具をふわっと覆い、枕をその上に立てかけた。
白いフリルの枕カバーのおかげで、クロスの存在感が軽くなり、じつに具合よく収まった。あの角はお気に入りのエリアになりそうだ。
「ベッドは買わなかったんだ?」
「さすがにもったいないかなと」
「まあそうだよな。これも組み立てていい?」
彼が小さなローテーブルのキットをこちらに見せる。私が今私物を並べている棚も、彼があっという間に組み立ててくれた。
「お願いします」
「よくこれをひとりでやろうと思ったな」
「時間をかければ、なんとかなるかと思い……」
最初、私主導で組み立てを始めたものの、あまりの手際の悪さに「俺がやるよ」と諏訪さんが引き取ったのだ。
「図工はダメだったのを思い出しました」
「『得意なので!』はなんだったんだ」
「口から出まかせです」