【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
「便宜上!」
彼がショックを受けたような顔をしたので、言葉選びが悪かったかと思い、別の表現をさがした。
「契約上?」
「言い直してくれなくていい。たいして変わってない。俺が言いたいのは、もう少し一緒にいる時間をとってもいいんじゃないかってことだ」
はあ、と相づちを打つ。私が話を飲みこめていないことがわかったのか、諏訪さんが、むっと顔をしかめた。
「きみはすぐその『失礼します』を出して、部屋に引きこもる。朝だって、一瞬顔を合わせるだけだ」
「私のほうが早く出社している必要がありますから」
「そこをすりあわせるのが、この同居の目的なんじゃないかと言ってるんだ」
そうだった?
お互いの生活のペースをつかんだり、どうしても許せないところがあったりしないか確認するための期間じゃなかったのか。
そのとき、インターホンが鳴った。
21時前だ。こんな時間に来るのは宅配便しかない。私たちは、はっと顔を見あわせた。
「これ、あれじゃないですか?」
「絶対そうだ!」
届いたのは予想どおり、通販ショップの大きな段ボールだった。私では抱えきれないくらい大きく、重さもある箱を、諏訪さんが軽々リビングに運びこむ。
ふたを開けると、真新しい調理器具のセットが詰まっていた。
双方苦手な料理は、一緒にがんばるしかないということで買ったのだ。なにがどのくらい必要なのかもわからなかったから、【鍋・フライパンセット】とか【キッチンツールセット】とか、ひとまとめになっているものを選んだ。
「すごい量ですね」
「収納はたっぷりある」
「今のおたまってこんななんですね、見てください、シームレス」
「これがジューサーか、軽いな」
片っ端から梱包を解いてテーブルに並べ、ラベルやシールをはがしていく。終わったら流しでざっと洗い、拭いて収納する。
彼がショックを受けたような顔をしたので、言葉選びが悪かったかと思い、別の表現をさがした。
「契約上?」
「言い直してくれなくていい。たいして変わってない。俺が言いたいのは、もう少し一緒にいる時間をとってもいいんじゃないかってことだ」
はあ、と相づちを打つ。私が話を飲みこめていないことがわかったのか、諏訪さんが、むっと顔をしかめた。
「きみはすぐその『失礼します』を出して、部屋に引きこもる。朝だって、一瞬顔を合わせるだけだ」
「私のほうが早く出社している必要がありますから」
「そこをすりあわせるのが、この同居の目的なんじゃないかと言ってるんだ」
そうだった?
お互いの生活のペースをつかんだり、どうしても許せないところがあったりしないか確認するための期間じゃなかったのか。
そのとき、インターホンが鳴った。
21時前だ。こんな時間に来るのは宅配便しかない。私たちは、はっと顔を見あわせた。
「これ、あれじゃないですか?」
「絶対そうだ!」
届いたのは予想どおり、通販ショップの大きな段ボールだった。私では抱えきれないくらい大きく、重さもある箱を、諏訪さんが軽々リビングに運びこむ。
ふたを開けると、真新しい調理器具のセットが詰まっていた。
双方苦手な料理は、一緒にがんばるしかないということで買ったのだ。なにがどのくらい必要なのかもわからなかったから、【鍋・フライパンセット】とか【キッチンツールセット】とか、ひとまとめになっているものを選んだ。
「すごい量ですね」
「収納はたっぷりある」
「今のおたまってこんななんですね、見てください、シームレス」
「これがジューサーか、軽いな」
片っ端から梱包を解いてテーブルに並べ、ラベルやシールをはがしていく。終わったら流しでざっと洗い、拭いて収納する。