【極上旦那様シリーズ】きみを独り占めしたい~俺様エリートとかりそめ新婚生活~
「でも、諏訪さん、朝食は召し上がりませんよね」
「習慣を変えようと思う。きみが朝食をとるのは何時?」
「そんなにきっちりとは食べないんですが……、7時くらいです」
「合わせる」
さっきまでの勢いもどこへやら、私はうろたえ、「はい」と小さな声で返事をした。
なんだか、急に甘えられたような気がしたからだ。
諏訪さんが椅子を引いた。
「冷める前に食べよう。半分ずつ食べたいから、途中で交換だ」
「はいっ」
隣りあう席に座り、つけあわせもなにもない、オムレツだけを食べる。
不思議な光景。
「オムレツかと言われると微妙ですが、こういうものと思えば食べられます」
「卵料理の利点かもしれないな。交換しよう」
「諏訪さんの、おいしいですね!」
「きみのもいけるよ」
すべてが無に帰すような大失敗に終わらなかったのがうれしくて、私は「ほんとですか」と相好を崩した。
どうしてか諏訪さんが目を丸くし、それからふっと笑う。
「やっぱり部屋着だと、メイクしてるなってわかるね」
「さっきはわかりませんでした? まだまだですね、私」
「いや、むしろメイクと服が、ぴったり合ってたんだと思う。じつはセンスがあるんじゃないか?」
本当だろうか。だとしたらうれしい。
私はフォークを置き、ほてった頬を両手で挟んだ。丁寧にメイクしてあげた顔は、手触りも違う。気がする。
「きっと練習の成果です。がんばります」
「自信を持つといい。さっき、スーパーで、ちょっと離れたところからきみを見たとき、きれいだなと思った」
「それは、ワンピースがすてきだからで……」
「俺は普段のきみも、きれいな女性だと思ってるよ。それでもさっき特別に目を引いたのは、きみが堂々として、楽しそうだったからだと思う」
つぶやくようにそう言うと、彼はひどい出来のオムレツを、ひとかけらも残さずフォークですくいとり、口に運んだ。
「習慣を変えようと思う。きみが朝食をとるのは何時?」
「そんなにきっちりとは食べないんですが……、7時くらいです」
「合わせる」
さっきまでの勢いもどこへやら、私はうろたえ、「はい」と小さな声で返事をした。
なんだか、急に甘えられたような気がしたからだ。
諏訪さんが椅子を引いた。
「冷める前に食べよう。半分ずつ食べたいから、途中で交換だ」
「はいっ」
隣りあう席に座り、つけあわせもなにもない、オムレツだけを食べる。
不思議な光景。
「オムレツかと言われると微妙ですが、こういうものと思えば食べられます」
「卵料理の利点かもしれないな。交換しよう」
「諏訪さんの、おいしいですね!」
「きみのもいけるよ」
すべてが無に帰すような大失敗に終わらなかったのがうれしくて、私は「ほんとですか」と相好を崩した。
どうしてか諏訪さんが目を丸くし、それからふっと笑う。
「やっぱり部屋着だと、メイクしてるなってわかるね」
「さっきはわかりませんでした? まだまだですね、私」
「いや、むしろメイクと服が、ぴったり合ってたんだと思う。じつはセンスがあるんじゃないか?」
本当だろうか。だとしたらうれしい。
私はフォークを置き、ほてった頬を両手で挟んだ。丁寧にメイクしてあげた顔は、手触りも違う。気がする。
「きっと練習の成果です。がんばります」
「自信を持つといい。さっき、スーパーで、ちょっと離れたところからきみを見たとき、きれいだなと思った」
「それは、ワンピースがすてきだからで……」
「俺は普段のきみも、きれいな女性だと思ってるよ。それでもさっき特別に目を引いたのは、きみが堂々として、楽しそうだったからだと思う」
つぶやくようにそう言うと、彼はひどい出来のオムレツを、ひとかけらも残さずフォークですくいとり、口に運んだ。